米国務長官の「訪韓見送り」で関税交渉は難航の一途…韓米首脳会談はいつ?

投稿者: | 2025年7月5日

 来週と予想されていたマルコ・ルビオ米国務長官の訪韓が突然見送られたことで、できるだけ早い時期に李在明(イ・ジェミョン)大統領とドナルド・トランプ米大統領の韓米首脳会談の日程を決めようとしていた構想も調整が避けられなくなった。ルビオ国務長官の訪韓見送りで、一部では「韓米関係」異常説まで出ているが、米国内の状況が相当な影響を及ぼすものとみられる。特にトランプ大統領が事実上指揮する「関税交渉」が最も重要な変数になっている。

 ルビオ長官の突然の訪韓・訪日見送りは、来週米国を訪問するイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とトランプ大統領の会談に同席することなどが理由だと日本経済新聞が報じた。ルビオ長官は7日に日本を訪問し、8~9日に韓国を訪問する予定だったが、中東問題に集中することにし、韓国と日本への訪問を見送ったという。ルビオ長官の訪問取り消しのニュース後に「韓米関係異常説」が出ているが、事実とは異なる主張だ。

 ただ、8日に迫った関税猶予期限終了を控えてトランプ大統領が新しい関税適用に乗り出したことが、ルビオ長官の訪韓見送りの決定に影響を及ぼした可能性はある。トランプ大統領は3日、記者団に対し、「明日あたりに10~12カ国に関税についての書簡を送る」とし、「10~20%から60~70%までの範囲」と述べた。トランプ大統領が相互関税の猶予延長はないとし、韓日をはじめとする交渉相手国に向かって圧迫の強度を高めた状況で、ルビオ長官が韓国と日本を訪問し両国政府と事案を議論することが難しい状況になったわけだ。

 このように米国の相互関税猶予期限の終了が差し迫った中で、トランプ政権との交渉が難航し、韓米首脳会談が9月まで先送りされる可能性があるという懸念が出ている。さらに、中国が9月3日の戦勝節の軍事パレードに李在明大統領の出席を打診してきたことも、韓国政府の外交を複雑にしている。関心を引く韓米首脳会談も、相互関税交渉の結果とつながっている。

 特に韓米首脳会談は韓日・韓中首脳会談とも絡み合っているため、時期が重要だ。李大統領は前日の就任30日の記者会見でも繰り返し「堅固な韓米同盟と緊密な韓米日協力、早期の中ロ関係改善を土台にした『国益中心の実用外交』」を強調。韓米、韓日、韓中首脳会談の時期調整などをめぐる高次方程式を解かなければならない課題を抱えている。李在明政権との関係改善を望む中国は、9月3日に北京で開かれる戦勝節80周年行事への李大統領の出席を打診しているが、「韓米同盟」を最優先に掲げた李大統領が、韓米首脳会談が未開催の状態で中国に行く可能性は低いとみられる。

 韓米首脳会談については、「早期開催論」と「敏感な事案を解決した後での開催論」が出ている。早期開催論は、韓米首脳会談が遅れれば関税交渉、国防費増額、在韓米軍再配置など敏感な問題に対し適宜対応することが難しくなるため、遅くとも8月までには実現しなければならないという主張だ。国立外交院のミン・ジョンフン教授は、「関税交渉の実務協議が終わったら、8月には韓米首脳が会って成果を確認し、共同声明が出るのが望ましい。在韓米軍再配置問題など敏感な問題に対しても首脳レベルで枠組みを合わせておくことが重要だ」とし、「韓米首脳会談が遅くなりすぎると、国内的にも議論になる余地がある」と述べた。

 いっぽう、韓米首脳会談を急ぐ必要はないという意見もある。ソウル大学政治外交学科のパク・ジョンヒ教授は、「韓米首脳会談を急いで開く必要はない」とし、「敏感な問題について韓米当局間で合意が確認された時、首脳会談を行った方が良いだろう」と述べた。過去、文在寅(ムン・ジェイン)元大統領は就任52日目に米国を訪問して韓米首脳会談を行った。朴槿恵(パク・クネ)元大統領は就任72日目、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領は就任11日目に韓米首脳会談を開いた。

 政府はまず、複雑に絡み合った問題を解くために米国との関税交渉に最大限速度を上げるものとみられる。産業通商資源部のヨ・ハング通商交渉本部長は4日、国会の産業通商資源中小ベンチャー企業委員会に出席し「今日の国会報告の後、夕方に出国し、土曜日にワシントンで米国通商代表部(USTR)の代表など米国側の高官との交渉が予定されている」として「今回の交渉を通じて主要イシュー別に韓国側の提案および韓米相互の互恵的産業協力案を提示する計画」だと述べた。さらに「交渉の進捗状況により、必要であれば相互関税猶予延長(の交渉)もも積極的に検討する」と述べた。相互関税猶予期限(8日)が迫っていることで、ヨ本部長は米国から帰国して5日で再び訪米の途についた。

2025/07/04 20:18
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/53653.html

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