西海構造物巡る中国糾弾決議、棄権した韓国国会議員らは国民に説明せよ【7月5日付社説】

投稿者: | 2025年7月5日

 3日の国会本会議で中国による西海への構造物の無断設置を糾弾する決議案が可決した。野党・国民の力議員が提出した案件だが、出席した議員259人のうち252人が賛成した。与野党に関係なくこの問題の深刻さが共有されたといえる。ところが共に民主党3人、祖国革新党1人、進歩党3人の議員らは棄権票を投じた。彼らは採決の際に特別な質疑などは行わず、また棄権票を投じた理由も説明しなかった。

 中国は2018年からつい最近まで西海の韓中暫定措置水域(PMZ)に「養殖施設」と称して大型の鉄製構造物を複数設置してきた。両国の漁業協定によると、この海域では操業以外に資源開発など別の活動に関係する施設は設置できない。構造物のうち2基は海面に浮かぶ浮遊式で、1基はボーリング船を改造した固定構造物だ。韓国の海洋調査船がこれらに接近しようとすると、中国は艦艇などを使って調査を妨害した。米国のシンクタンクは先日、報告書で「すでに海底での航行や探知に関する情報を収集する能力が備えられた」としてこれらの施設が潜水艦探知用である可能性を指摘した。

 中国は構造物設置にとどまらず、5月にはこの海域の一部を航行禁止とし、新型空母も参加させて海上機動訓練を行った。西海を自国の内海とし、韓米連合戦力に対抗する意図を徐々に露骨化している。これを放置した場合、韓国の漁業権はもちろん、航行の自由や領土主権まで侵害される恐れがある重大事案だ。

 国会での決議案は暫定措置水域における構造物設置の違法性を指摘し、韓国政府による海洋調査強化、「同一比例原則」に基づく対応など複数の対策を求め、また国会として立法面での支援を行うとする内容も含まれている。政治的利害が食い違う事案ではなく、領土主権に関する決議案だ。この決議案に国民から選ばれた代表たちが棄権票を投じたとすれば、当然誰もが納得できる説明をしなければならない。

 棄権票を投じた議員のうち共に民主党と祖国革新党の所属議員は棄権の理由を説明しなかった。進歩党は「外交的に解決すべきであり、摩擦を強めるやり方はだめだ」と主張したが、決議案に紛争を引き起こすような内容はなく、問題を起こしているのは中国だ。もし日本が中国と同じような行動をとれば、この7人の議員がどう対応したか想像に難くない。中国は自分たちの挑発にも棄権票を投じた韓国の国会議員が7人いることを把握した上で、次の計画をより大胆に推し進めてくるだろう。

2025/07/05 10:25
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/07/05/2025070580018.html

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