地震研究分野における韓国最高の専門家の一人、延世大学地球システム学科のホン・テギョン教授が「いわゆる『南海トラフ地震』説は現実になる可能性がある」と語り、注目されている。
南海トラフ地震説は、日本人漫画家のたつき諒さんが1999年に出版した漫画『私が見た未来』の改訂版『私が見た未来 完全版』(2021年)に登場する説の一つだ。『私が見た未来』の表紙には2011年3月の東日本巨大地震に関すると思われる記述がある。
『私が見た未来 完全版』には、同年7月5日に見た予知夢の内容として「その災難が起こるのは、2025年7月です」「突然、日本とフィリピンの中間あたりの海底がポコンと破裂(噴火)したのです」「太平洋周辺の国に大津波が押し寄せました。その津波の高さは、東日本巨大地震の3倍はあろうかというほどの巨大な波です」という記述がある。この話が「南海トラフ地震説」につながり、日本と近隣諸国の間で不安が高まっている。
ホン・テギョン教授は3日午後、CBSラジオの番組『パク・ジェホンの一本勝負』に出演し、たつき諒さんの記述は単なるフィクションではないかもしれないと説明した。
ホン・テギョン教授は「(約30年前)私が大学院に通っていた時、南海トラフ(静岡県から九州東部の海域まで続く約700キロメートルにわたる海中の深い溝)で、『今後30年以内に大地震が起きる確率は50%だ』と学んだ」「今は今後30年以内に80%と上昇している状況で、80%の確率というのは必ず起こることだと考えていい」と説明した。
その上で、「これはかなり前から予見されていたことなので、いつ起きてもおかしくないが、そのような本まで出たため、懸念がいっそう増幅されている状況だ」と語った。
また、「九州沖地震は100年・150年周期で起こっているが、その地域の地震はマグニチュード(M)7後半か8前半の地震だ」とも述べた。
さらに、「東京沖の東海地域で地震が発生してからかなりたった。もし南海地域が先に壊れ、連鎖的に東京沖まで一気に崩れる最悪のシナリオになれば、M 9.0に達する大地震になるというのが日本政府と日本の学界の考えだ」と伝えた。
M 9.0について、ホン・テギョン教授は「M 8.0の地震32個分が一度に発生する規模だ」「日本政府の報告書によると、もし南海トラフでM 9.0の大きな地震が発生したら、経済被害額最大270兆円、死者約30万人、建物全壊軒数約235万棟など、甚大な被害となるだろうと言われている」と述べた。
そして、「南海トラフでM 9.0の大地震が発生すれば、韓国も30センチメートル以上揺れることになるだろう」「そのため、韓国政府も対策に苦心していると聞いている」と語った。
ユン・イェウォン記者
2025/07/05 10:40
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