新しい韓流商品「K野球応援」【萬物相】

投稿者: | 2025年7月6日

 昨年3月、ソウルで行われたメジャーリーグ開幕戦前、米ニューヨーク・タイムズが韓国プロ野球の独特な応援文化に触れた。タイトルは「声を出す準備をせよ」「韓国で野球ファンになる方法」。応援団は観衆に対し絶えずスローガンを叫ぶよう促すため、新人選手でさえスター扱いされることになる。また「食べ物は次元が違う」とし、韓国の球場は「巨大な韓国風屋台料理のバイキング」と伝えた。

 3時間以上食べて飲んで歌って踊る韓国の球場は、韓国ファンにとってもスポーツを超えた文化体験だ。「野球もいいが、大声で一緒に応援することでストレス解消につながる。そこから生まれる連帯意識に酔いしれたくて、球場を訪れる」という人も多い。このような韓国の野球応援文化がソーシャルメディアを通じて海外に伝えられたことで、最近では韓国を訪問する外国人観光客にとって球場が体験訪問コースとして注目されている。

 文化体育観光部(日本の省庁に相当)と韓国観光公社が最近、韓国野球の応援文化を素材に発売した訪韓旅行商品には、台湾の高校生など約100人が参加した。ソウル市の高尺スカイドームにおけるプロ野球試合観戦や韓服体験、南山タワーや景福宮の訪問、公演観覧などの日程が盛り込まれた。当初の目標を何倍も上回る観光客が殺到したという。ユーチューブには「海外の友人たちが目を丸くしたカルチャーショック、韓国の球場体験」「外国人の親たちがびっくりした韓国の球場内の熱気」などの見出しで映像がアップされている。韓国人ガイドと共に野球の試合を観戦し、チキンやビールを楽しむプログラムもある。韓国観光公社はバスケットボール、バレーボール、eスポーツ、テコンドーなどの方向にKスポーツの観光領域を拡大していく考えだ。

 舞台に上がって野球ファンの応援をリードする韓国のチアリーダーたちは、韓国の応援文化とKポップの人気に支えられ、海外進出も果たしている。台湾プロ野球の各球団で活躍中の韓国人チアリーダーが10人を超えるが、まるで芸能人であるかのような人気を博している。最近では日本で活動していた日本人チアリーダーが韓国を訪れたというケースもある。「韓国の応援スタイルが非常に気に入った。Kポップが好きで韓国で挑戦したかった」と笑みを浮かべる。

 韓国の球場への訪問を希望する観光客のためにニューヨーク・タイムズは次のように案内した。「立って応援せよ。応援歌を覚えよ。自由に踊ろう。新しい食に挑戦しよう。ゲーム終了まで帰るな」などだ。「多くの人々が長い勤務時間を通じて、圧迫を受けている国」という韓国の社会的背景も共に紹介されている。韓国人特有の情熱がつくり出した躍動的な応援文化が、新しい韓流コンテンツとなったのだ。野球のレベルは低いと非難されるが、韓国風の情熱的な応援文化が新しい韓流商品の一つとなり始めている。

チェ・スヒョン記者

2025/07/06 08:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/07/05/2025070580004.html

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