韓国の朴喆熙(パク・チョルヒ)駐日大使が10日、「首脳間の信頼が韓日関係の柱」としながら、首脳間の対話が引き続き継続していってほしいと述べた。朴氏はこの日、東京の大韓民国大使館で離任式を開き、特派員団と懇談会に臨んだ。昨年8月に赴任した朴氏は14日に帰国する。
朴氏は最も記憶に残る出来事として6月19日に韓国大使館主催で開かれた韓日国交正常化60周年に言及した。この席には石破茂首相と岸田文雄前首相、菅義偉元首相など前・現職首相4人が出席した。朴氏は「首相、官房長官が同時に一堂に会するところをほぼ初めて見た」としながら「それだけ韓日関係に対するコミットメント(commitment)が強いと感じた」と述べた。首相に続いて日本政府のナンバー2と呼ばれる官房長官や外相、防衛相など多くの長官級要人が出席したことについて「閣議とまではいかないが、NSC(国家安全保障会議)は開くことができると言えるほど良かった」という感想も残した。あわせて「韓日国交正常化60周年をきちんと祝わなくてはならないという意志、韓日関係をしっかりと導いていかなくてはならないという日本指導者側の意志表示」と評価した。
1年余りの大使任務に対する物足りなさも正直に吐露した。戒厳と弾劾に伴う政権交代で通知を受けて「2週間内に帰国」することになった状況について「我が国のために良い選択ではない」と明らかにした。朴氏は「政権交代後に辞めるのは当然のことで、戻るのは時間の問題だったという点で韓国に戻ることは全くおかしなことではない」と説明した。あわせて「いつ戻るかの問題だが、それがきっかり2週間以内に戻らなくてはならないということが、個人的なことではなく、我が国のために良い選択でない」というものだ。朴氏は「長期間、公館を空白状態にしておくのは適切ではない」とし「こうしたことがなかったら良いというのが正直な考え」と明らかにした。
昨年、世界遺産に登録された佐渡金山を巡る朝鮮人犠牲者追悼式問題にも言及した。当時、韓日両国は追悼式を共同で開くことにしたが、追悼辞などで異見を示して結局別途に行事を行った。朴氏は「日本が前向きに取り組むべきだと今でも考える」とし、当時の交渉状況を説明した。「感謝追悼祭という名称にこだわって、なぜ2カ月間も“腕相撲”をしたのか、到底理解できない」ということだ。当時、日本政府が佐渡金山追悼式を「感謝追悼祭」にすることにして交渉がうまくいかなかったということだ。
朴氏は「日本は政務官の靖国参拝が問題を混乱させたかのようにフレームを作っているが、それよりも追悼辞の内容のほうがはるかに動かせなかった部分」と打ち明けた。朴氏は「追悼式はあくまで追悼式でなければならない」とし「昨年は結果的にそうではなかったが、今年はもう少し望ましい結果が得られることを願う」と明らかにした。
2025/07/11 07:26
https://japanese.joins.com/JArticle/336118