【コラム】韓国の安全保障、積極的な発想の大転換が必要(1)

投稿者: | 2025年7月13日

昨年12月初めから6カ月間続いた極端な政治混乱の安全保障費用は何だろうか。北朝鮮の挑発なく静かに乗り越えたからいいのだろうか。そうではない。韓国の安全保障に深刻な影響を及ぼす重大変化が進行中なのにわれわれはまともに対応できなくなっていた。

トランプ政権が在日米軍司令部の役割を格上げし西太平洋で日本中心の安全保障ネットワークを構築していることだ。ヘグセス国防長官は3月末、米日国防相会談後に「日本が今後西太平洋で直面するいかなる種類の緊急状況にも先頭に立つだろう」と話した。在日米軍司令官を現在の3つ星将軍から4つ星将軍に格上げし、在韓米軍司令官は4つ星から3つ星に格下げするだろうという話まで出回っている。もう韓国戦争(朝鮮戦争)以降数十年にわたり在韓米軍が担ってきた北東アジア安障の主導的役割が在日米軍に渡ることになるのだ。

 こうした脈絡から在韓米軍の戦略的柔軟性に対する米国の強い要求や米国防総省の在韓米軍4500人縮小検討報道に続き1万人水準への縮小の主張まで出てきた。米日国防相会談で日本の中谷元防衛相は「朝鮮半島、東シナ海、南シナ海を『ひとつの戦域』に統合しよう」と提案し、ヘグセス国防長官もこれを歓迎したという。韓国が政治混乱の渦中で手を出せない状況で韓国の安全保障問題を米日の当局者同士で議論した形だ。ヘグセス国防長官はまた、最近シンガポールで開かれたシャングリラ会合(アジア安全保障会議)で日本、オーストラリア、フィリピンを米国同盟の「核心グループ」と呼び、韓国にはほとんど言及しなかった。

米国は国内総生産(GDP)規模に匹敵する29兆ドルという途轍もない負債を抱えている。財政赤字はGDPの6%を超えた。トランプ大統領が自由主義国際秩序を主導してきた米国のリーダーシップの役割を捨てた重要な理由のひとつがこうした財政状況だ。もう米国は世界のリーダーの役割を担える経済力がないということだ。だからこれまで米国の保護の下で「ただ乗り」してきた同盟に防衛費をGDPの5%まで上げろという。既存の軍事戦略も最大限選択と集中の方向で立て直すということだ。結局米国のすべての能力を中国との対決に集中する「優先順位」戦略の具体的内容が8月ごろ出される米国の国防衛戦略書に盛り込まれる予定だ。

問題はこうした米国の戦略が韓国の安全保障に及ぼす影響だ。北朝鮮の脅威が米国の2次的な関心事になり、在韓米軍のすべての能力が中国に集中するならば韓国が後回しにされる、いわゆる「アチソンライン」が再び引かれるのではないかとの懸念が出てきそうだ。北朝鮮が核能力とともに先端兵器を完成しながら敵対的両国関係論を掲げている状況で国民の安全保障への懸念は深まるだろう。もちろん南北関係が改善され平和共存に進むならば良いが、それは時間がかかる大変な問題だ。

2025/07/13 10:15
https://japanese.joins.com/JArticle/336170

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