韓国と米国の関税交渉が期限を2日前にした30日に電撃的に妥結したが、対米投資ファンドの調達構造と収益配分などと関連して双方で異なる声が出ている。22日に米国と日本の貿易協定妥結後に正確な対米投資規模と収益分配構造をめぐり両国間で異なる説明が出てきたのと同様だ。最終合意文発表まで細部を調整する過程で依然として少なくない困難があるものとみられる。
トランプ大統領はこの日、交流サイト(SNS)を通じて韓国との貿易協定合意を伝えながら「韓国は米国が所有し統制する投資プロジェクトに3500億ドル(約52兆円)を提供し、このプロジェクトは私が直接選定するだろう」とした。これだけでなく「韓国は1000億ドルの米国産エネルギー製品を購入し、追加で大規模資金を投資することにした。この金額は李在明(イ・ジェミョン)大統領がホワイトハウスを訪問する2週間以内に発表されるだろう」とした。
◇トランプ大統領「韓国の対米投資3500億ドル+α」
米国が主導権を行使する3500億ドルのほかに追加で大規模投資があるというトランプ大統領の説明によると、韓国の対米投資規模は「3500億ドル+α」となる。米国産エネルギー製品購入に向けた1000億ドルは別途だ。
だが韓国政府交渉団の話とは違いがある。具潤哲(ク・ユンチョル)経済副首相兼企画財政部長官は交渉結果に関する会見で、トランプ大統領が言及した3500億ドルは韓国が主導権を行使する造船協力ファンド1500億ドルと、半導体、原子力、エネルギー、二次電池、バイオなど経済安全保障分野支援に向けた対米金融パッケージ2000億ドルを合わせたものと説明した。
◇韓国「実質的金融投資は2000億ドル」
産業通商資源部の金正官(キム・ジョングァン)長官も「1500億ドルの造船協力ファンドは韓国が主導権を行使して使える利点があり日本とは異なる条件」としながら実質的に米国とともにする金融投資パッケージは2000億ドルだと話した。
金長官のこうした説明は「韓国が米国に投資するという3500億ドルは名目国内総生産(GDP)規模で日本と単純比較してみればあまりに高いのではないのか」という質問に答える過程で出てきた。昨年の名目GDPは韓国が1兆8700億ドル(IMF基準)、日本が4兆26億ドル(世界銀行基準)だ。今回発表された対米投資金額は韓国が3500億ドル、日本が5500億ドルで、名目GDP比では韓国が18.7%、日本が13.7%だ。韓国の対米投資規模が日本より経済規模と比べ5.0ポイント大きい。
◇「投資過剰ではない。2000億ドルだけ見るべき」
こうした指摘に対し金長官は「日本の投資額はGDP比13~14%水準でこの水準なら韓国は2300億ドル程度。全体規模(3500億ドル)よりは日本と同様の構造を持っている2000億ドルで日本と比較をする方が適切だ」と話した。だがトランプ大統領が言及した「+α」の大規模追加投資を考慮すれば日本と比較して少ないとは言えない金額という反論が出ている。
対米投資ファンドで発生する収益の分配構造をめぐっても見解の違いが表われている。ラトニック米商務長官は「韓国が米国に投資する3500億ドルの利益は90%が米国に戻るだろう」とした。
◇「収益90%が米国に)」vs「まだ特定されていない」
その後ラトニック長官がSNSのXへの投稿を通じて韓国に対する相互関税と自動車関税は15%に設定されると明らかにした。ラトニック長官は投稿で「韓国はトランプ大統領の指示により米国に3500億ドルを投資し、その利益の90%が米国に戻るだろう」とした。
これに対して金長官は「造船協力ファンド1500億ドルは韓国が主導権を持つが、2000億ドルは米国のプロジェクトによりもう少し実務的議論が必要な事項」と話した。また米国が収益の90%を持っていくことに対しては、「米国と日本でも見解の違いがある。(10%を除いた)残りの部分は米国に再投資するものと承知している」とした。
大統領室で会見した金容範(キム・ヨンボム)政策室長も「韓国はこの収益が米国内に再投資されたり留保される方式と理解している。ファンドの構造や投資家、収益分配方式はまだ決まっておらず、90%を米国が持っていくと断定的に解釈し難い」と話した。収益分配構造をめぐり米国と日本の間で露出した同床異夢が韓米間でも再演された形だ。
2025/07/31 17:34
https://japanese.joins.com/JArticle/337012