韓国野党・国民の力の宋彦錫(ソン・オンソク)非対策委員長兼院内代表が国会本会議場で、姜勲植(カン・フンシク)大統領秘書室長に対し、元国民の力所属議員に対する「光復節(8月15日、日本の植民地支配からの解放記念日)特別赦免と復権」を要請するメッセージを送る様子がカメラに捉えられた。野党抹殺を公然と口にしている政権に赦免を要請するのも不適切だが、要請した赦免名簿を見ると本当にあきれる。
宋彦錫委員長は表向きでは「今回の光復節特赦は徹底的に民生事犯を中心に行われなければならない」として、祖国革新党前代表の曺国(チョ・グク)受刑者、元京畿道平和副知事の李華泳(イ・ファヨン)受刑者ら政治家の赦免に反対する見解を示してきた。それにもかかわらず、自身の党出身の政治家や、政治家の妻までにも赦免を要請している。彼らは賄賂・横領・背任など個人的な不正や選挙法違反で有罪が確定した人々だ。彼らを赦免することに同意する国民がどれだけいるだろうか。民心が離れて存続の危機に立たされている党の代表が、このようなレベルの認識しか持たずに、さらに民心が離れるようなことをやっているとは、あきれてものが言えない。
宋彦錫委員長が党を率いて1カ月半となるが、理解しがたい行動は一度や二度ではない。「党を革新(刷新)する」と言ったが、安哲秀(アン・チョルス)議員による革新委員会は発足前に暗礁に乗り上げ、尹喜淑(ユン・ヒスク)革新委員長もうやむやになっている。宋彦錫委員長は「皆が革新の客体であり、主体だ」と言いながら、刷新無力化の先頭に立っている。「尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領と絶縁する」と言いながら、「尹前大統領復帰」を主張する人々が集まった集まりに参加した。今度は「政治家の赦免はいけない」と言いながら、裏では自身の党の不正政治家の赦免を頼んでいたことが発覚した。このような党を見ている国民たちは、失望を通り越して絶望するしかない。このままでは、いくら党代表を新たに選び、党名を変えても、国民の力は死亡宣告に向かって進む一方だ。
今回の件で、政界では赦免の取引が依然として行われていることも明らかになった。大統領室は「政治家の赦免論議が行き交うことはない」と言ったが、宋彦錫委員長と姜勲植秘書室長がやり取りしたメッセージが明らかになるや、「各界各層の意見を聴取している」と前言を翻した。いくら赦免が大統領の権限だとしても、このような取引をしてはならない。
2025/08/06 13:00
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