【コラム】欧州は縮小、韓国は役割調整?…揺れ動く海外駐留米軍(1)

投稿者: | 2025年8月6日

中国の軍事的膨張を日本-台湾-フィリピン-インドネシアとつながる海洋防御ラインを中心に拒否(denial)するというトランプ2期目の米国の新たな国家防衛戦略(NDS)と世界規模の米軍態勢の見直し(GPR)に基づき、在韓米軍を含む全世界の駐留米軍の大変動が予想される。

8月に発表予定の防衛戦略に先立ち、3月にヘグセス米国防長官は暫定防衛戦略指針に署名した。これによると、米国は中国を「唯一の主要脅威」とし、台湾に対する中国の侵攻を拒否することを「唯一の主要シナリオ」と規定した。今後、主要国との戦争を計画する際、中国との衝突だけを考慮するという点を明確にしながら、人員と資源の制約を勘案すると他の戦場でのリスクを覚悟し、ロシア・イラン・北朝鮮に対する抑止は同盟国(NATO、イスラエル、韓国、日本)の役割という点を強調した。中国の台湾侵攻「準備」が完了する2027年までは中国だけを狙ってインド太平洋地域に軍事力を集中するということだ。

 このため欧州駐留の米軍の場合、ウクライナ戦争の今後が変数となるが、2014年のロシアのクリミア半島占領で10万人まで増員された米軍を2014年水準(約6万3000人)またはそれ以下に縮小すると予想される。また米国のエネルギー自給自足により2010年以降の対外戦略で重要性が低下した中東駐留米軍の場合、現在の約5万人から2023年のイスラエル・ハマス戦争勃発以前の約3万4000人に減らす動きを見せている。ここには空母打撃群を中東にこれ以上配備しない案も含まれている。さらに海・空軍を中心に2万人水準に減らすという見方も出ている。

欧州と中東で縮小された米軍兵力はインド太平洋地域に優先的に配置されると予想される。現在、インド太平洋軍司令部が指揮する全体兵力は約38万人で、うち9万6000人が前進配置されている。海軍は1つの空母打撃群が日本に、空軍は7つの戦闘機編隊が韓国と日本に、陸軍はストライカー戦闘旅団を含む約2万人が韓国に、海兵隊は日本、グアム、オーストラリアなどに約2万2500人がそれぞれ駐留している。

実際、米国はすでにこの数年間、速いペースでインド太平洋地域の海・空軍戦力を増強している。代表的なのがグアムに前進配備された攻撃用原子力潜水艦を3隻から5隻に増やした点、日本にB-1爆撃機とMQ-9リーパー無人攻撃機を初めて配備した点、フィリピンとオーストラリアに対空防御と海上攻撃が可能なSM-6と地上発射トマホーク巡航ミサイルを装着できるタイフォン(Typhon)ミサイル体系を構築した点などだ。

2025/08/06 15:36
https://japanese.joins.com/JArticle/337255

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