対米投資収益の90%を米国が取る? 韓国経済副首相「常識的にあり得ない」

投稿者: | 2025年8月7日

韓国の具潤哲(ク・ユンチョル)副首相兼企画財政部長官は、米国が3500億ドル(約485兆ウォン、日本円で約52兆円)規模の対米投資ファンド収益の90%を得ようとしているという主張について、6日、「常識的に本当にあり得ない話」と反論した。具氏はこの日、国会企画財政委員会の全体会議で、最近の韓米通商交渉において米国側がそのような要求をしたのは事実だが、「韓国政府として明確に合意した事実はない」と述べた。

この日、企画財政委員会の野党議員が特に3500億ドルという対米投資規模の妥当性と実現可能性を集中的に追及した。まず、「3500億ドルという数字は誰が提示したのか」という質問に対し、具氏は「我々が1500億ドルを提示し、協議の過程で米国が追加で2000億ドル程度を提示した」と説明した。そしてこの金額は企業の対米投資とは別に、政府が投資する金額だけを意味するものだとしながらも、出資(直接投資)、融資、保証などファンドの構成比率はまだ決まっておらず、今後の交渉で韓国側の負担を最小限に抑える考えを示した。

 しかし、野党「国民の力」の朴洙瑩(パク・スヨン)議員は「485兆ウォンという額は、昨年の民間と政府の韓国全体の設備投資額(238兆ウォン)の2倍に相当する」とし「我が国の経済規模や投資状況への理解も全く無いまま、単に数字だけで交渉したために失敗した」と批判した。同じく国民の力の朴成訓(パク・ソンフン)議員も「韓国貿易保険公社が3500億ドルを5年間で分割して支援すると仮定すると、年間700億ドルとなり、これは同公社の年間支援総額の約38%にあたり到底不可能な規模だ」とし「このようになれば、国内投資の萎縮、成長の鈍化、雇用の悪化という悪循環に陥る」と指摘した。

3500億ドルを今後何年間、どのくらいの額で投資していくのかも争点となった。具氏は「可能であればトランプ大統領の任期中に(投資を)希望しているようだ。早く(投資を)してほしいと言われた」としながらも、「一度に投資するのではなく、年次的に行う」と述べた。国債の発行よりも韓国輸出入銀行への出資と、同銀行が融資を行う形で進めることで、債券市場への影響を最小限に抑えることができるとも付け加えた。

また、米国産のコメ・牛肉・果物野菜など農産物の輸入追加開放に関しても、具氏は「追加的に開放したものは本当にない」と強調した。産業通商資源部の金正官(キム・ジョングァン)長官も、同日に開かれた産業通商資源中小ベンチャー企業委員会の全体会議で「(米国産果物・野菜に対する)検疫手続きが省略されたり簡素化されたりした事実はない」とし「米国側が検疫について時間がかかりすぎて複雑だと感じているため、協力強化の意味で(米国専用)デスクを設けることにした」と説明した。ただし、これにより米国産果物・野菜の韓国輸入スケジュールが早まり、実質的に追加開放効果につながるとの見方もある。

今回の交渉を受けて、韓米自由貿易協定(FTA)による関税率0%の効果が消えるのではないかとの懸念に対し、具氏は「米国が品目別に関税を課そうとしている自動車・鉄鋼・半導体・医薬品を除けば、依然としてFTAの効果を享受している」とし、相互関税が同じく15%であっても、FTAを締結していないために基本関税が存在する日本や欧州連合(EU)に比べて比較優位を維持できると説明した。

ただし、自動車を米国へ輸出する際、日本・EUと同等の競争条件に置かれるようになった点については、再度「申し訳ない」という立場を明らかにした。米国は日本・EU産自動車にはすでに基本関税2.5%を課しているが、今回追加で12.5%の関税を上乗せし、最終的に15%となった。韓国はこれまで0%だったが、同様に15%が適用されることで、これまで有していた2.5ポイントの優位性を失った。金氏は「米国側は15%をマジノ線として提示した」とし「自動車協力企業への支援や研究開発(R&D)支援などを通じて、2.5%の差を克服できるよう支援していく」と述べた。

2025/08/07 08:22
https://japanese.joins.com/JArticle/337275

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