中国戦勝節に出席の金正恩委員長、中ロと結束固め、トランプ大統領との談判準備

投稿者: | 2025年8月29日

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と中国の習近平国家主席、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が9月3日、ともに中国・北京の天安門の城楼に上る。2012年の金正恩委員長の政権就任後、初めて朝中ロ3カ国の首脳が一堂に会することになる。「中国人民抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争勝利」(戦勝節)80周年の祝賀行事がその名目だ。

 李在明(イ・ジェミョン)大統領の日本・米国連続訪問の直後の28日になされた朝中両国による「戦勝節首脳外交」の発表は、その戦略的意図が何であれ、朝鮮半島と東北アジアにおいて、「韓米日」対「朝中ロ」という冷戦期の陣営外交の構図が再現されるという懸念を強めることになる。

 金委員長の予想外の戦勝節参加の決定は、米中ロが入り乱れる「強大国外交」の真っただ中に飛び込むことを意味する。金委員長の多国間首脳外交への参加は初めてだ。中ロとの関係強化による「陣営外交」に乗り出す布石であると同時に、中ロを後ろ盾に米国のドナルド・トランプ大統領との「談判外交」に先立つ道筋をつけることにもなりうる。李大統領の訪日・訪米と合わせ、朝鮮半島と東北アジア情勢に重大な影響を及ぼす戦略外交が本格化するわけだ。

■天安門城楼の朝中ロ首脳

 このような動きは、米国の覇権・一極秩序に対抗する「朝中ロ3カ国協調」として映らざるをえない。ただし、その協調がどれほど堅固なのかは、即座には見極めにくい。中国と北朝鮮・ロシアの情勢認識と戦略基調は大きく異なるのに加え、これまで中国は3カ国協調と映る動きを極力避けてきたからだ。実際、金正恩委員長とプーチン大統領の両者は、国連などの国際社会の制裁を無視し、「米国の覇権・一極秩序」に対抗する「正しく多極化された新世界秩序の創設」を公言してきたが、習近平主席は「国連を中心とする国際システムと国際法に基づく国際秩序の擁護」を指向することを表明してきた。

 天安門の城楼で、習主席が金委員長のすぐそばに立つのか、プーチン大統領を間に挟んで距離を保つのかが、中国の戦勝節外交の内心を見極める尺度になりうる。歴史的に冷戦期を含め、北朝鮮・中国・ロシアは「3カ国協調」を長く維持したことはない。

■6年ぶりの朝中首脳会談

 金委員長の北京訪問は、2019年1月の4回目の訪中以来、6年8カ月ぶり。朝中首脳会談は、2019年6月の習主席の平壌(ピョンヤン)訪問以来、6年2カ月ぶりとなる。2022年2月のロシア・ウクライナ戦争勃発後、プーチン大統領を「尊敬する最も身近な同志」と呼び、露骨な親ロ外交を展開していた金委員長が、重大な外交戦略の調整に乗り出したのだ。

 習主席としては、朝ロ同盟復活の余波で関係がぎくしゃくした金委員長をそばに置いておく必要がある。中国の国連対北朝鮮制裁の履行の強度をめぐり、北朝鮮と中国が対立していたため、中国による制裁の履行強度の緩和につながる可能性がある。

■朝米首脳会談への道の整備か

 ただし、金委員長の戦勝節参加の選択を「陣営外交」の枠組みだけで捉えるべきではない。歴史的に北朝鮮は、韓米日に向けての「南方外交」、特に「ワシントンへの道」を切り開こうとする場合、例外なく「後見国」中国を先に訪れた。

 金正日(キム・ジョンイル)国防委員長は2000年の南北・朝米首脳会談の推進に先立ち、長きにわたる隠遁を打ち破って北京を訪問し、金委員長も2018~2019年に相次いだ南北・朝米首脳会談の前後に中国を4回訪問した。多くの元高官が「金正恩委員長の戦勝節参加の決定は、トランプ大統領との談判を視野に入れた戦略的決定の可能性がある」とみているのはそのためだ。

2025/08/28 21:12
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/54094.html

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