「関東朝鮮人虐殺」否定9年目の東京都知事…市民「容認できない」

投稿者: | 2025年9月2日

 「朝鮮人犠牲者を軽視する小池都知事の態度は許されません」

 東京朝鮮人強制連行真相調査団の日本側代表を務める西澤清さんは1日、東京墨田区の横網町公園で開催された「関東大震災朝鮮人虐殺102年犠牲者追悼式」への追悼文送付を拒否した小池百合子東京都知事を強く批判した。同氏は「関東虐殺は朝鮮人が(東京などで)日本人に虐殺されたもの」だとして、「現在、東京に対する責任を有する小池知事は(歴史から)逃げてはならない」と強調した。横網町公園で毎年開催される朝鮮人虐殺犠牲者追悼式には、極右政治家とされる石原慎太郎などを含む歴代の都知事が追悼文を送ってきたが、小池知事は就任翌年の2017年から追悼文送付を拒否しており、今年で9年目になる。

 小池知事が追悼文の送付を拒否する表面的な理由は、同公園にある大震災の犠牲者慰霊堂で別途に開催される関東大震災犠牲者の追悼行事に追悼文を送っているのだから、朝鮮人虐殺犠牲者に対して特に追悼文を送ることはしないというもの。だがこれは、自然災害で亡くなった人々と虐殺された朝鮮人犠牲者の被害の性格がまったく異なるため、批判を浴びている。小池知事は、関東朝鮮人虐殺事件について「それぞれが研究されている」として、朝鮮人虐殺を認めていない。

 追悼式をおこなってきた西澤さんも、関東大震災で亡くなった日本人の曽祖母と祖母、叔父の遺骨が慰霊堂に安置されている。しかし西澤さんは「小池知事は日本人犠牲者のための大法要に出席したが、亡くなった私たちの家族は『知事、私たちはもういいから、もっとひどいことをされた人たち(朝鮮人)の方に行ってあげてください』と言ったはず」、「現在の日本の外国人嫌悪や『日本人ファースト』主張などは、小池知事のような態度から生じている」と声を強めた。

 関東朝鮮人虐殺は、1923年9月1日に発生した大地震の混乱の中で、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマを口実に、日本の軍や警察、自警団が罪のない数千人の朝鮮人などを殺害した事件。日朝協会東京都連合会などが1974年から、横網町公園の片隅に追悼碑を建てて毎年朝鮮人犠牲者を追悼している。

 朝鮮人虐殺を否定する動きは現在進行形だ。日本政府は「政府として調査した限り、事実関係を把握することのできる記録が見当たらない」とし、朝鮮人虐殺に対する責任を回避している。同調した極右勢力の一部が、今年も追悼式会場の周辺でヘイトデモをおこなった。

 ただ、今年は小さな進展があった。今年2月に結成された「関東大震災朝鮮人虐殺を検証する有志議員の会」が先月、石破茂首相ら日本政府に真相究明を求める要請書を提出したのだ。彼らは「政府の態度は少しずつ変化しつつあると思う」と語る。やはり朝鮮人虐殺が起きた埼玉県の知事は4日に、千葉県の知事は7日にそれぞれ開催される朝鮮人犠牲者追悼式に追悼文を送っている。

2025/09/01 17:20
https://japan.hani.co.kr/arti/international/54111.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)