【社説】石破首相辞任、「極右人士」選出だけは避けてほしい

投稿者: | 2025年9月9日

 日本の石破茂首相が、7月の参院選敗北後の余波に耐えきれず、ついに辞任した。穏健な「歴史認識」を持つ石破首相の突然の辞任は、韓国と日本両国の関係だけでなく、米国のドナルド・トランプ大統領の「暴走」に悩まされている国際社会全体の安定性を揺さぶることになりうる深刻な「悪材料」だ。米国に続き日本でも「極右首相」が選出される場合、韓国・日本や欧州連合(EU)・オーストラリアなどの友好国間での協力の余地が大幅に減少し、中国との摩擦の可能性が高まる。自民党は、国際情勢を広く見渡すことのできる合理的かつ責任感のある人物を次期総裁に選出し、周辺国の懸念をやわらげてほしい。

 石破首相は7日、「自由民主党総裁の職を辞することにした」として、「新総裁を選ぶ手続を開始してほしい」と述べた。日本では政府与党の総裁が首相に選出される。石破首相は、自身は「地位に恋々とするものではない」と述べてきたとして、「(参議院)選挙結果に対する責任は総裁たる私にある」ため、「米国関税措置に関する交渉に一つの区切りがついた今こそが、その『然るべきタイミング』であると、このように考え」たと述べた。

 自民党が現在のような危機に陥ることになったのは、7年8カ月間続いた「安倍一強政治」の弊害である政治資金問題や、旧統一教会との癒着疑惑などによるものだった。そこで、党内「少数派」だった石破首相が救援投手の役割を一手に引き受け、昨年10月に首相の座に就いた。選挙で相次いで敗北した後も、自身に有利な世論を期待し、首相職を継続する意志を曲げなかったが、結局、旧安倍派などからの圧力に耐えきれなかった。

 現時点で次期首相として取りざたされているのは、高市早苗前経済安全保障担当相(64)や小泉進次郎農水相(44)などだ。高市前経済安全保障担当相は、「歴史修正主義者」と批判された安倍晋三元首相よりさらに極右的だと評される人物だ。「謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」という文言がある安倍談話(2015年)に「侵略」という語が含まれていることを理由に、安倍元首相を訪ねて強く抗議したという逸話がある。小泉農水相は、在任中に靖国神社を何度も参拝した父親のように、先月の韓国訪問直後に靖国神社を参拝し、強い失望感を与えた。日本がふたたび歴史対立を引き起こすことになると、韓国と日本の協力は難しくなり、中国を刺激して東アジア情勢も不安定になる。日本の国益のためにも、「極右首相」の選出だけは防がなければならない。

2025/09/08 18:30
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/54180.html

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