関税戦争に…「韓国、環太平洋経済連携協定への加盟を論議すべき」

投稿者: | 2025年9月24日

 韓国が米国の関税政策など通商環境の変化にうまく対応するためには、既存FTAの改善を急ぎ、包括的・漸進的に環太平洋経済パートナー協定(CPTPP)への加入議論に着手すべきという主張が提起された。

 韓国貿易協会(KITA)国際貿易通商研究院が24日に発刊した「攻撃を受ける自由貿易、主要国FTA議論の動向と示唆点」報告書によると、米国の広範囲な関税措置で通商環境の不確実性が拡大し、主要国は、新規FTA締結および中断された交渉の再開▽既存FTA改善▽複数国間貿易協定加入などで二者・地域間協力を加速化していることが分かった。

 代表的なものとして、欧州連合(EU)はトランプ大統領の当選以後、長期間進展がなかった南米共同市場(MERCOSUR)およびインドネシアとのFTA交渉を各々25年、10年ぶりに妥結した。英国もインドとのFTA交渉に着手して3年ぶりの5月に交渉妥結に成功した。

 報告書は、米国発関税戦争による通商環境の変化に対応するため、韓国もFTA推進戦略を一層強化しなければならないと提言した。

 韓国は先月基準で計59カ国とFTAを締結し、9カ国とは交渉を完了した状態だ。この5年間(2020~2024年)にFTA締結国に対する輸出は年平均5.1%増加したと集計された。これは輸出全体の増加率(4.7%)とFTA非締結国に対する輸出増加率(3.7%)を上回る割合だ。報告書は、韓国が交渉を完了した湾岸協力会議(GCC)、アラブ首長国連邦(UAE)、グアテマラ、エクアドルの4カ国とFTAを発効する場合、全世界の国内総生産(GDP)に占めるFTA締結国のGDPの割合が2.2ポイント増加する見通しだと分析した。

 報告書は輸出増大、サプライチェーン安定のために、既に締結したFTAに比べて自由化水準が高いCPTPP加入も早急に推進しなければならないと提案した。CPTPPは米国が環太平洋経済パートナー協定(TPP)から脱退した後、アジア・太平洋11カ国が結成し2018年にスタートした多者間FTAだ。交易規模は2020年基準で5兆2千億ドルに達する。これらの国々に対する韓国の輸出規模は2023年基準で1604億ドルで、総輸出の25.4%水準だ。これに先立って韓国政府は2022年にCPTPP加入推進計画を議決したが、農漁民の反対と日本産水産物輸入に対する憂慮、インフレ抑制法(IRA)など新しい通商懸案対応が優先視され加入申請を保留した経緯がある。CPTPPを主導していた日本も、韓国の加盟に否定的な気流だった。

 韓国貿易協会のカン・グムユン首席研究員は、「CPTPP当事国の多数とすでにFTAを締結しているが、市場接近改善を通じた輸出機会拡大、安定的な供給網構築、生産費用節減の側面でCPTPPが有利だ」として「成熟期に入った私たちのFTA政策と経験を生かして韓国国内の脆弱産業保護のための補完対策を用意しながらCPTPP加入議論を再開すべき」と強調した。

2025/09/24 10:07
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/54313.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)