韓国海洋水産部長官「北極航路は新たな成長エンジン、造船業に大きな機会」

投稿者: | 2025年9月25日

海洋水産部の田載秀(チョン・ジェス)長官がいま北極航路に注目すべき最大の理由として「経済的価値」を挙げた。25日の中央日報とのインタビューで田長官は「北極航路が開かれれば世界的に船舶発注量が急増し韓国の造船業界が直接的な恩恵を得られるだろう。船舶金融から船を作るのに必要な鉄鋼など資機材まで後方産業に及ぼす経済的効果も大きいだろう」と話した。以下は田長官との一問一答。

――十数年前にも北極航路開発を推進したが進まなかった。

 「その間に北極環境が劇的に変わった。氷河がさらに早く溶け2027年あるいは2030年には砕氷船などを活用すれば年間を通じて航海が可能だとの研究結果が蓄積され、商業航路としての可能性がさらに大きくなった。韓国も来年北極航路の試験運航を推進し、2030年に商業航路として活用する計画だ」

――どんな効果を期待するか。

「韓国の首都圏中心の一極体制は限界に達した。釜山(プサン)を海洋首都、釜山・蔚山(ウルサン)・慶尚南道(キョンサンナムド)を海洋首都圏とし、ここに麗水(ヨス)・光陽(クァンヤン)までまとめて北極航路経済圏へと発展させれば新たな成長エンジンになる。釜山・蔚山・慶尚南道が持っている港湾・海運競争力と輸出用産業団地を活用してインフラをさらに集積すれば北極航路がもたらす直接的・間接的機会を先取りできる」

――具体的に説明するならば。

「北極航路は国際海事機関(IMO)標準により炭素を出す船舶は航行できない。親環境船舶需要が増えるはずだが韓国の造船会社が一次的に恩恵を受ける。物流量も増える。釜山港は積み替え量基準で世界2位、コンテナ処理量基準として世界7位だ。釜山はコンテナ、浦項(ポハン)は雑貨、麗水・光陽はエネルギーなど、港湾別に特化してひとつの北極航路経済圏域が作られるだろう」

――周辺国の動きはどうなか。

「ロシアは2035年までに39兆ウォンを投資することにした。米国は砕氷船15隻の購入を発表した。中国はすでに昨年までに北極航路を35回航行した。一帯一路政策に『氷上シルクロード』を追加し国家政策の優先順位を大きく引き上げた。釜山港の最も強力な競合相手は中国・上海になるだろう。日本にはこれを凌駕する港湾インフラがない」

――ロシアとの関係改善が先ではないか。

「戦争を3年、5年さらに続けるだろうか。ロシア経済制裁があと5年、10年続くだろうか。国際情勢は流動的で、最後は結局経済的利益関係でまとまる。あらかじめ準備しなければ何も得られない。ロシアとウィンウィンできる協力事業はとても多いだろう。例えば砕氷船設計技術はロシアが優れているが、実際に船を作るのは韓国が一枚上だ。ロシアが船1隻建造するのに7年かかるが韓国は2年あれば良い」

――国際的議論はどのように継続するのか。

「北極協力の核心ガバナンスである北極理事会で韓国の地位や評判はとても良い。韓国が正式にオブザーバーとして参加してきたので北極圏諸国との協力はうまくいくだろう。最近もノルウェーやデンマークとの海運会談を成功裏に開催した」

――韓国政府が強い意志を見せている。

「これまで海洋首都、国家均衡発展を叫んだがスローガンだけ騒がしく具体的なアクションが全くなかった。海洋水産部の年内釜山移転を確定したのは李在明(イ・ジェミョン)政権は違うということを見せるものだ。海事専門裁判所、東南投資公社を釜山に誘致してシナジーを出さなければならない」。

2025/09/25 17:14
https://japanese.joins.com/JArticle/339127

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