韓国に在留する外国人の健康保険料滞納額が、今年5月の時点で昨年全体の額を上回ったことが分かった。
国会保健福祉委員会所属の金美愛(キム・ミエ)議員(保守系野党・国民の力)が16日、韓国健康保険公団から入手した資料によると、今年5月25日の時点で外国人の健康保険加入者の滞納額が357億ウォン(約37億8500万円)に達した。昨年は1年間で外国人加入者の滞納額が総額308億ウォンだったが、これを早くも超過したのだ。
これを巡り「今年に入って外国人の健康保険料滞納に対する規定が変わったことが影響した」との指摘が出ている。当初、健康保険法では、外国人が健康保険料を滞納した際には即座に診療費支給を制限することになっていたが、韓国憲法裁判所が「外国人差別に当たる」と違憲決定を下したため、滞納から1カ月の猶予期間を与える形に関連制度が変更されたのだ。さらに、投資家・教授・研究員など5年以上の在留が許可されるビザの保有者には、滞納を2回まで認める形になった。
国籍別に見ると、中国人の滞納額が109億ウォンで最も多かった。次いでベトナム人が45億ウォン、ウズベキスタン人が40億ウォンだった。この3カ国の外国人の滞納額が全体の50%以上を占めていることが分かった。他にはインドネシア人が19億ウォン、米国人と日本人がそれぞれ15億ウォンだった。
さらに大きな問題は、滞納額の増加スピードよりも、診療費の支出額の方が増加スピードが速いことだ。昨年、外国人の健康保険診療費支出は1兆3925億ウォンで、2020年(9186億ウォン)に比べて51.6%増えた。同じ期間の韓国人の診療費支出は34.0%増加したが、これよりも外国人の診療費支出の増加率の方が高かった。特に外国人の場合、入院(37.0%)と薬局(18.9%)支出よりも外来診療費(44.0%)の支出の方が多かった。
金美愛議員は「健康保険財政の健全性を保つために、滞納の管理や不正請求の点検拡大など対策が必要だ」と指摘した。
チョ・ソンホ記者
2025/09/26 07:00
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