ガスタービン輸出国になった韓国、宗主国・米国を突破した

投稿者: | 2025年10月14日

◇ガスタービン輸出国になった韓国

斗山(トゥサン)エナビリティが“ガスタービンの宗主国”である米国に国産ガスタービンを輸出する。韓国内で商用化されたガスタービンを海外へ輸出する初めての事例だ。

 13日、斗山エナビリティは米国のビッグテック企業に対し、380メガワット(MW)級ガスタービン2基を来年末までに供給する契約を締結したと明らかにした。顧客側の要請により、契約相手との規模は公表していない。

斗山エナビリティは2019年、韓国内の産学研(産業界・学界・研究機関)の連携によって発電用大型ガスタービンの国産化に成功し、米国・ドイツ・日本・イタリアに続いて世界で5番目にガスタービン技術を確保した。その後、金浦(キンポ)熱併合発電所で1万5000時間にわたる実証試験に成功し、性能を立証した。今回の契約までに合計8基のガスタービン供給契約を相次いで結んでおり、これまでは韓国西部発電など国内の発電所を対象に供給してきた。

発電用ガスタービンとは、圧縮した空気と燃料を混合・燃焼させて発生する高温・高圧ガスでタービンを回して電気を得る内燃機関だ。設計が複雑なため「機械工学の花」とも呼ばれ、高度な技術力を要する。斗山エナビリティは朴知原(パク・ジウォン)会長の主導で総額1兆ウォン(約1066億円)を研究開発に投資し、技術力を確立した。

人工知能(AI)時代を迎え、データセンターの電力需要が急増したことも斗山エナビリティにとって追い風となった。世界各地のデータセンターは既存の電力網では需要をまかないきれず、独自の電力供給を模索している。ガスタービンは建設期間、供給の安定性、稼働期間、効率の面で利点があり、注目されている。S&Pグローバル・コモディティ・インサイツによると、世界のガス発電市場(累積設置基準)は昨年の2067ギガワットから2040年には2712ギガワットへと成長する見通しだという。

既存のグローバル・ガスタービン市場は、米国のゼネラル・エレクトリック(GE)、ドイツのシーメンス、日本の三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の3強体制だったが、需要が拡大したことで、後発の斗山エナビリティも新たな市場開拓に乗り出すことが可能になった。業界関係者は「供給者中心だったガスタービン市場に斗山エナビリティが参入し、価格競争力だけでなくサービスの利便性にも注力して攻略を進めている」と述べた。

ガスタービンは新規供給だけでなく、維持・保守などのサービスの重要性も高い。斗山エナビリティは米国ヒューストンにあるガスタービンサービス専門子会社DTSとのシナジーを通じて、米国市場の攻略を加速させる方針だ。今後、米国市場に供給されるガスタービンの整備サービスはDTSが担当する。斗山エナビリティパワーサービスBG長のソン・スンウ氏は「今回の契約は、大韓民国がガスタービン輸入国から輸出国へと飛躍する意義深い転換点」とし「品質と納期を徹底して守り、顧客の信頼に応え、米国をはじめとする海外市場もさらに拡大していく」と述べた。

この日の契約報道を受け、韓国総合株価指数(KOSPI)市場で斗山エナビリティの株価は前営業日比4.16%上昇した7万7600ウォンで取引を終え、52週ぶりの新高値を更新した。取引中には7万8500ウォンまで上昇した。

斗山エナビリティは今年に入って相次いで大型受注に成功している。6月には韓国水力原子力・斗山エナビリティを含む「チーム・コリア」がチェコ・ドコバニ原発5・6号機建設事業を受注した。同社は今年のチェコ原発関連受注額を3兆8000億ウォンと見込んでいるが、証券業界では原材料価格の上昇などを考慮すると契約金額がさらに増える可能性があるとみている。

斗山エナビリティは小型モジュール炉(SMR)ファウンドリー企業として、X-エナジー(X-energy)・ニュースケール・パワー(NuScale Power)・テラパワー(TerraPower)などのグローバル企業とも協力関係を維持している。

2025/10/14 09:13
https://japanese.joins.com/JArticle/339730

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