「カンボジア現地で韓国人大学生を解剖 「全身にあざ…刃物の跡や身体損傷はなかった」

投稿者: | 2025年10月21日

20日(現地時間)、カンボジア現地で行われた共同解剖の結果、大学生パクさん(22)の遺体には全身にあざなど暴行の痕跡が確認されたものの、刃物による刺し傷や身体の損傷は見られなかったことが分かった。これに伴い、韓国国立科学捜査研究院は、正確な死因については今後韓国内で予定されている組織検査および薬毒物検査、そして両国の捜査結果を総合して確定することになったと明らかにした。

この日、両国の共同解剖は午前9時27分(現地時間)から、パクさんの遺体が安置されているカンボジア・プノンペンのTuek Thla寺院で約4時間にわたって行われた。

 解剖に詳しい関係者は「パクさんの遺体には多くのあざが見られたが、刃物で刺されたり、傷を縫い合わせたような痕跡は見つからなかった」とし「暴行があったからといって、それが直接死に至ったと断定はできないため、韓国内で組織検査や薬毒物検査を行い、正確な死因を特定する必要がある」と語った。

現地警察はこれまで、検案医の意見などを基に「拷問による心臓麻痺(まひ)」を死因として記録していたが、直接の死因であるかどうかは薬毒物検査を通じて心臓麻痺を引き起こした他の原因を検証してはじめて確認することができるという意味だ。

この日の解剖には両国からそれぞれ6人ずつ、計12人が参加した。韓国側は国立科学捜査研究院の法医3人、警察庁科学捜査運営係長、慶北(キョンブク)地方警察庁の捜査官2人、法務部国際刑事課の検事ら6人で、カンボジア側は警察庁の担当者、法医ら6人だった。彼らが黒いワゴン車3台から降りて装備を持ち、寺院の安置室へ入ると、カンボジア警察は約50人を配置して警察ラインを張り、一般人の通行を制限した。

警察庁は「現地時間で20日午後11時30分ごろに韓国への送還を開始し、韓国時間で21日午前7時ごろに到着する予定」とし「慶北警察庁の刑事機動隊長が仁川(インチョン)空港で遺体を引き取り、遺族に引き渡す計画」と明らかにした。

パクさんは7月17日、家族に「博覧会に行ってくる」と言い残してカンボジアへ出国した。その後、8月8日、カンポット州ボコール山「ウェンチ(園区・犯罪団地)」付近の車内で死亡した状態で発見された。当時、パクさんの身体にはあざや傷など、拷問を受けた痕跡が見られた。パクさんを殺害した容疑で起訴された中国人3人は10月10日に拘束起訴されており、現地警察は犯行を主導した中国系同胞2人の行方も追っている。

中央日報が18日午後にTuek Thla寺院を訪れたところ、カンボジアでの監禁・暴行事件が「グローバル問題」であることを実感することができた。遺体安置室前のテーブルには、30~40代の中国人とみられる男性の遺影の前に、中国の菓子やコーラ、レプリカドル、花などが整然と置かれていた。別の2人の死者のテーブルには護符やビールが置かれていたが、遺影写真すらなかった。

寺院の関係者は「ここには20~30代の中国人の遺体が最も多く運ばれ、韓国人も2~3カ月に一度の割合で安置される」と語った。同席した現地ガイドは「国籍を問わず、20~30代の外国人が“心臓麻痺”を死因としてここに運ばれるケースが少なくないが、犯罪の被害者なのではと疑問を持たざるを得ない」と話した。

事件が大々的に報道され、やっと問題解決に乗り出した韓国政府とは対照的に、他の主要国はすでに具体的な行動を取っている。調査を早くから開始した米国と英国は、10月14日、カンボジア国内で犯罪団地の運営に関与した疑いがもたれている大企業「プリンス・グループ」と、中国系カンボジア人の陳志(38)会長に対して制裁を決定した。日本は8月、カンボジア当局とともに自国民の送還作戦を行い、80人の捜査官を派遣して、カンボジアでサイバー犯罪を行っていた容疑者29人を日本に送還した。

中国も4年前から東南アジア主要国と協力捜査体制を築いている。中国公安部は今年7月、「2021年から2025年までミャンマー、タイ、カンボジアなどに実務団を派遣し、2000カ所以上の海外詐欺拠点を閉鎖し、8万人以上を検挙した」と明らかにしたうえで、「その後、広告・技術開発・資金洗浄などの組織も捜査し、36万6000人の容疑者を逮捕した」と発表した。

2025/10/21 09:42
https://japanese.joins.com/JArticle/340015

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