北朝鮮は世界の主要な暗号資産取引所へのサイバー攻撃で仮想通貨を盗み、そのマネーロンダリングと現金化を進めているが、その際にカンボジアの金融サービス複合企業「フイワン(Huione)グループ」の支援を受けていたことが22日までに分かった。フイワングループは今月14日、カンボジアなどで外国人拉致や詐欺などの国際的な犯罪グループのマネーロンダリングを支援したとして米国と英国から金融制裁を受けた。
韓国、米国、日本、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、カナダなど11カ国は昨年10月、国連安保理の北朝鮮制裁回避を摘発するため多国間制裁監視チーム(MSMT)を設立した。MSMTは北朝鮮のサイバー攻撃を追跡した報告書を公表したが、それによると北朝鮮はアラブ首長国連邦(UAE)、日本、インドなどの暗号資産取引所にサイバー攻撃を行い、昨年1月から今年9月までに総額28億4000万ドル(約4300億円)を盗み出したという。
北朝鮮はUAEのBybit、日本のDMMビットコイン、インドのWazirXなど暗号資産取引所にサイバー攻撃を行い、昨年だけで11億9000万ドル(約1800億円)を奪った。これは昨年の北朝鮮の外貨収入の3分の1に相当する額だ。また今年1-9月には16億5000万ドル(約2500億円)を盗み出した。MSMTは「北朝鮮のハッカー集団はチャットGPTやディープシークなどのAI(人工知能)を使いその手口はさらに巧妙になっている」と指摘した。
北朝鮮偵察総局のハッカー集団「ラザルス」は昨年5月に日本の暗号資産取引所DMMビットコインから3500万ドル(約53億円)相当の暗号資産を奪い、これをフイワングループの決済システム「フイワンペイ」でロンダリングした。MSMTは「2022-24年に北朝鮮国籍の複数の人物がフイワンの職員らと緊密な協力関係を維持してきた」と明らかにした。カンボジアで活動する偵察総局の武器輸出会社「青松連合」の複数の関係者もフイワングループにマネーロンダリングや外貨取引などを委託したようだ。
MSMTに関与するある国は昨年10月と12月、カンボジア政府に対し「フイワンペイは国連制裁対象となっている北朝鮮偵察総局の支援に利用されている」として懸念を伝えた。これを受けカンボジア中央銀行はフイワンペイの免許を剥奪したが、その後もフイワンは営業を続けているという。
キム・ドンハ記者
2025/10/23 09:26
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