車の後ろに初心者であることや配慮が必要だと伝える目的で貼るステッカーに、威圧的なメッセージを表示して他の車に不快感を与えるケースがあり、物議を醸している。
インターネットのコミュニティーサイトには20日「自動車ステッカー オールタイム・ナンバーワン」と題する写真付きの投稿が寄せられた。
写真は、ある車のリアガラスに貼られているステッカーだ。「性格の悪い父親とスポーツマンの愚息が乗っている。ケンカを売らずに通りすぎろ、つべこべ言わずに行け」と書かれている。
写真を公開した投稿者は「乗っている人は恥ずかしくないのか」と短くコメントを付け、これに対しネットユーザーらは「ケンカを売っているのは本人じゃないの?」「こういうのには公衆脅迫罪は適用されないのかな」「(ステッカーは本来)配慮を求めるものなのに、こんなふうに攻撃的なメッセージを見ると運転していても怒りしか湧いてこない」などの反応を示した。
理解と配慮を求めるための車用ステッカーを巡っては、「他の車に不快感を与える」「事故を誘発しかねない」との指摘が以前から出ていた。
この写真がネット上で拡散されると、これまでに物議を醸した車用ステッカーがあらためて話題になった。これらのステッカーには「赤ちゃんのパパ(が乗っています)、怖いですよ」「絡んできたら歯をへし折ってあげます」「後ろから(クラクションを)ブーブー鳴らしたらこの車は停止する」「前の車にいちゃもん付けたら血を見るから覚悟しとけ」などと書かれている。
2017年には、後の車のハイビーム攻撃に反撃するために「幽霊ステッカー」を貼った車が即決審判(軽微な事件を迅速に処理するための手続き)を受けるというケースもあった。
騒動に発展するケースが少なくないため、運転初心者の場合は、海外のように標準化された初心者マークの付着を義務付けるべきとの意見も出ている。
22年12月には共に民主党の洪起元(ホン・ギウォン)議員が、車のリアガラスに貼る「初心者運転ステッカー」を規格化する内容の道路交通法改正案を発議した。
このとき洪議員は「初心者運転の表示が規格化されれば、他の車が直感的に認識できるだけでなく、不要なトラブルを予防することができると考えられる」「防御運転、注意運転を日常化することで、安全な交通文化が醸成されることを期待する」と述べた。
ただし現時点で韓国には、車の後部に貼るステッカーに関する規定は特にない。
欧米や日本など主要な先進国では現在、正式な運転免許を取得する前に運転する場合、初心者(仮免)運転であることを周囲に知らせるステッカーなどの付着が義務付けられており、規格や貼る位置も詳細に定められていることが多い。
韓国では1999年、初心者マークの付着が自由化(義務化廃止)されてから、初心者マークを貼るかどうかが運転者に一任されただけでなく、デザインやサイズ、貼る位置まで運転者の判断に任されている。
韓国の道路交通法第42条によると、嫌悪感を与える絵や記号、メッセージなどを自動車に貼った場合には処罰を受ける可能性があるが、嫌悪感に関する判断基準がなく、実際に摘発されるケースはほとんどない。
キム・ジャア記者
2025/10/28 08:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/10/25/2025102580009.html