ドル稼いでも資金は海外でだけ回る…韓国経済、個人投資家の逆説

投稿者: | 2025年11月6日

個人投資家の海外株式投資ブームが韓国経済に長期的に悪影響を及ぼす恐れがあるという診断が出された。韓国銀行が5日に発表した「純対外資産(NFA)安定化の可能性評価と示唆点」と題する報告書の内容だ。

韓国銀行の集計によると、6月末基準で韓国の対外金融資産は2兆7000億ドル(約415兆円)で、20年間で7倍以上増えた。その結果、対外金融資産から対外金融債務を差し引いた純対外資産は昨年末に初めて1兆ドルを突破した。経常収支黒字が海外投資と外貨準備高増加につながったと分析した。輸出が輸入より多く、海外投資から入る利子と配当が増えたおかげだ。

 6月基準で国内総生産(GDP)比の純対外資産の割合は55.0%で、昨年末の58.8%以降で最大だ。国全体で年間に稼ぐ額の半分を超える大規模な資金が海外に流出しているという意味だ。米国など海外証券市場の好調が続き、韓国人は国内よりも海外の株式に関心を向けており、純対外資産増加につながった。

韓国銀行は報告書で、こうした変化は対外健全性強化という肯定的側面があるが、「国内資本市場の投資基盤弱化と為替安圧力持続、世界的リスクへの露出拡大など否定的側面もある」と評価した。表向きは金を稼いでいる(経常収支黒字)が、その資金が国内にとどまらずに再び海外に流れ出る(資本収支赤字)逆説的な状況ということだ。国内投資が弱くなりウォン安圧力も大きくなる背景だ。また、高齢化により国内の成長潜在力と投資需要が弱くなり、年金基金など機関投資家が海外に投資先を広げていることから純対外資産は今後も拡大する可能性は大きいと韓国銀行は予想する。

過去には海外資産投資は外貨準備高や銀行が中心だったが、最近では年金基金と個人投資家中心にシフトしている。国際金融センターによると、10月に韓国の個人投資家は海外株式を68億1000万ドル買い越したが、これは2011年の統計作成以来過去最大規模だ。報告書を作成した韓国銀行のイ・ヒウン海外投資分析チーム課長は「韓国の(GDP比)純対外資産の割合は日本やノルウェーなど伝統的な純対外債権国より低いが、代表的純対外債務国である米国などと比較すると高い方」と説明した。

日本は韓国より先に同様の状況を体験した。日本のGDP比の純対外資産の割合は2009年に55%を超えた後、2024年末には83%まで上昇した。しかし2023年に始めた政府のバリューアッププログラムを契機に変化が始まった。株価純資産倍率(PBR)1倍未満の「低評価企業」に資本効率性改善計画を公示させるようにし、配当拡大と自社株買い誘導、ガバナンス改善などを並行した。年金基金は低評価企業に積極的に株主権を行使した。その後日本の証券市場は35年ぶりに最高値を更新し、純対外資産増加傾向も緩やかになった。イ・ヒウン課長は「日本のバリューアップ事例のように株式市場の投資環境を改善し、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)先進指数編入と国民年金の国内投資活性化などを推進して国内市場の投資魅力を高めなければならない」と指摘した。キム・ジュンヒョン韓国開発研究院(KDI)研究委員は「有望な革新企業が進入して限界企業は退出できる環境を作る一方、柔軟な労働市場を構築して生産性改善を誘導する必要がある」と話した。

2025/11/06 11:49
https://japanese.joins.com/JArticle/340701

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