韓国の脳卒中死亡率はOECD最低水準、一方で抗生物質処方は最多…精神保健は平均下回る

投稿者: | 2025年11月26日

韓国の脳卒中死亡率は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も低い水準である一方、抗生物質処方率は最も高い水準に属することが分かった。精神保健に関する指標はOECD平均に届かなかった。

26日、保健福祉部は、OECDが最近発刊した『Health at a Glance 2025』の指標(多くが2023年基準)を基に、韓国国内の医療の質の現状を明らかにした。この刊行物は、OECDが各加盟国の主要な保健医療指標を収集・比較して隔年で発行しているものだ。保健福祉部情報統計担当官のキム・ソンド氏は「韓国の保健医療の質を客観的に評価し、政策立案の基礎資料として活用できるという点に意味がある」と説明した。

 分析の結果、韓国国内の医療の質の水準は、慢性疾患の入院や急性期診療などで改善傾向を示した。虚血性脳卒中の30日致命率(入院後30日以内の死亡割合)は3.3%で、日本に次いで低かった。OECD平均(7.7%)の半分の水準であり、質の高い治療を受けた脳卒中患者が回復する可能性がそれだけ大きいことを示している。急性心筋梗塞の30日致命率は8.4%と集計された。2016年以降改善が続いているものの、OECD平均(6.5%)よりは高い。

慢性疾患の入院率も持続的な減少傾向を見せた。ぜんそく・慢性閉塞性肺疾患(COPD)の入院率は人口10万人当たり141件で、OECD平均(155件)を下回った。糖尿病の入院率は10万人当たり159件で、2008年(319件)と比べると半分の水準にまで減少した。

しかし、改善に向けて課題が残る指標も多かった。その代表例が抗生物質の使用だ。外来抗生物質の総処方量は、1日平均薬剤処方人口1000人当たり25DDD(1DDD=体重70キロの成人が1日で服用する平均量)となった。2021年までは減少傾向だったが、2022年以降は急速に反騰している。OECD加盟国の中で2番目に高く、加盟国平均(16DDD)との差も大きい。

疾病管理庁の関係者は、「コロナ19のエンデミック(風土病化)により、各種呼吸器感染症が急速に増え、それに伴って抗生物質の処方も共に急増したと推定される。コロナ流行中に医療機関での抗生物質使用管理が緩んだことも影響したものとみられる」と述べた。

抗生物質を乱用すると耐性が生じ、感染症治療の失敗や死亡率増加などのリスクが高まる。世界保健機関(WHO)も2019年に抗生物質耐性を「世界10大健康脅威要因」に挙げた。これに伴い政府は、第3次国家抗生物質耐性管理対策(2026〜2030)を来月末に確定する計画だ。人から動・植物、食品、環境に至るまで抗生物質の全周期を管理し、使用量を減らして耐性発生を最小化することが目標だ。

精神保健の指標も、OECD水準に及ばない場合が多かった。双極性障害の診断患者の死亡率は、一般人口集団と比べて4.3倍に達した。統合失調症の診断患者は4.9倍で、これはそれぞれOECD平均(2.7倍、4.1倍)を上回った。精神疾患患者の退院後1年以内の自殺率も、人口1000人当たり6.9人となり、OECD平均(3.4人)の2倍を超えた。

2025/11/26 15:10
https://japanese.joins.com/JArticle/341496

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