◇脱原発方針を撤回
日本は、2011年の福島原発事故以降、事実上維持してきた“脱原発”方針から離れ、原発の再稼働や新規建設など“原発回帰”へと動き出している。エネルギー安全保障やカーボンニュートラル、そして人工知能(AI)時代に急増する電力需要に対応するためだ。
27日、共同通信やNHKなどによると、北海道の鈴木直道知事は泊原発3号機の再稼働を容認する意向を、近く道議会に表明する予定だ。泊原発3号機は2009年に稼働を開始したが、福島原発事故の余波で2012年に停止し、今年7月に日本の原子力規制委員会(NRA)の安全審査を通過した。北海道電力は2027年の再稼働を目標に準備を進めている。21日には、新潟県が世界最大規模(8.2ギガワット)の柏崎刈羽原発の再稼働に同意した。
泊原発の再稼働は、日本の半導体戦略とも結びついている。北海道は「半導体連合軍」ラピダス(Rapidus)の中核拠点となっている。日本経済新聞によると、ラピダスは2027年の2ナノ半導体量産を目標としており、同年には第2工場を着工し、1.4ナノ・1ナノチップの生産まで検討している。2031年までに7兆円以上が投入される見通しだ。先端工場やAIデータセンターには莫大な電力が必要なため、原発が再び注目されているというわけだ。
日本は政策転換を公式化した。日本政府は今年2月の「第7次エネルギー基本計画」で「原発依存縮小」という文言を削除し、「原発を可能な限り最大限に活用する」と明記した。2040年の電源構成目標として、再生エネルギー40〜50%、原発20%、火力30〜40%を提示した。2023年の原発比率(約8.5%)を踏まえると、2倍以上の拡大を見込んでいる。高市早苗首相も「再生エネルギーも必要だが、安定供給を支える核心は原子力だ」とし、「エネルギー自給率100%を目指し、小型モジュール炉(SMR)や核融合炉など次世代原子力技術および国産核技術の開発がエネルギー戦略の核心だ」と示した。一方、大規模な太陽光事業については、中国製パネルへの依存や環境破壊の問題を理由に否定的な立場を示した。
企業の動きも加速している。関西電力は既存の原発敷地を対象に新規建設の可能性を念頭に置いた地質調査を検討しており、九州電力も次世代原子炉導入を含む中長期案を模索している。政府は、新規原発・送電網拡充のための公的融資支援や、次世代原発技術の検討も並行して進めている。
ロイターによると、日本は昨年、液化天然ガス(LNG)・石炭の輸入に10兆7000億円を支出した。電力の60〜70%を輸入燃料に依存する構造が物価上昇や政治的負担につながったことから、エネルギー自給のための原発回帰が現実的な解法として浮上したものとみられる。
韓国は別の道を選んでいる。李在明(イ・ジェミョン)政権は「無炭素中心の電源ミックス」を掲げ、再生エネルギー拡大と石炭削減に重きを置いている。韓国政府はこの日、2026年から2040年まで適用される「第12次電力需給基本計画」の策定に着手しており、第12次では再生エネルギー比率が大幅に増えると見込まれる。2基が予定されている新規大型原発の建設は、社会的議論を経て決定するという立場だ。
慶熙(キョンヒ)大学原子力工学科のチョン・ボムジン教授は「韓国と日本は、事実上孤立した電力網、高い製造業比率、再生エネルギー価格など、構造的に非常に類似している」とし、「原発政策を一定水準以上維持することは避けられない」と強調した。
2025/11/28 07:39
https://japanese.joins.com/JArticle/341563