次世代エコカーとして注目される水素燃料電池自動車(FCV、以下、水素車)市場で韓国が世界市場シェアを拡大している。2033年までに5480億ドル(約86兆円)規模に成長すると見込まれるグローバル水素車市場の確保に成功するかどうかに関心が集まっている。市場調査会社SNEリサーチによると、今年1-9月のグローバル水素車販売台数は8970台と、前年同期(9948台)比で9.8%減となった。しかし現代車は4994台を販売して市場シェアが55.7%となり、前年同期(31.1%)比で大幅に上昇した。
同じ期間、日本のトヨタ(16.4%→10.6%)と中国の商用車全体(52.4%→31.9%)のシェアが減少したのとは対照的だ。SNEリサーチの関係者は「現代車は4-6月期に発表した第2世代ネッソ(NEXO)の好評と新車効果を受け、前年同期比で販売台数が61.3%増加した」と伝えた。一方、トヨタは「MIRAI」の米国販売台数が59.0%、「MIRAI」と「クラウン」の日本国内販売台数が35.8%とそれぞれ減少した。乗用車より商用車を中心に水素車市場を攻略中である中国も販売が減少した。
現代車が今年6月に販売を始めた第2世代ネッソ「ジ・オール・ニューネッソ」は先月まで4661台売れた。現代車によると、このモデルは欧州で1997年から毎年結果を発表している新車安全性評価プログラム「ユーロNCAP(The European New Car Assessment Programme)」で最高等級の星5つを受けた。衝突テスト時に空間を安定的に維持して搭乗者を保護し、事故発生時に緊急救難センターに自動で知らせるシステムと追加事故を防止する多重衝突防止システムなど多様な先端安全仕様を搭載した点が認められた。
現代車の関係者は「2018年の第1世代ネッソが水素車で世界で初めてユーロNCAPで星5つを受けたのに続き、今回の第2世代モデルも安全性が高く評価された」とし「デザインや走行性能など商品性が顧客に認められたのも販売増加につながったとみられる」と伝えた。新型ネッソは1回の充電で最長720キロ走行でき、最高モーター出力150キロワットの動力性能を誇る。
韓国水素車のこうした善戦は、最近グローバル水素車市場が一般電気自動車市場のようにキャズム(一時的需要鈍化)を迎えている状況で表れた反転だ。水素車市場は世界各国の炭素中立政策強化基調を受け、数年間にわたり高成長が続いた。しかし最近の不況とトランプ米政権の高率関税適用などの悪材料で各国がインフラ拡大や購買補助金投資を減らし、主要企業も打撃を受けながら成長が鈍化している。
2025/12/20 13:31
https://japanese.joins.com/JArticle/342408