旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が教壇の地位を誇示する国際行事にいわゆる「VIP」を招待するため、政界との接触に力を入れてきた情況が明らかになっている。旧統一教会が韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁に報告した「TM報告(True Mother、真の母親)」文書には、要人招待のため、政治的コネが総動員された状況が多数登場する。
23日、ハンギョレが確保したTM報告は、旧統一教会の国際行事「ワールドサミット2019」を1カ月後に控えた2019年1月、旧統一教会の各国総括が総動員され、招待対象の要人との接触状況を韓総裁に報告していたことを示している。この過程で旧統一教会は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領を行事に招待するため、(当時)大統領府高官とも接触した。2019年1月15日、TMの報告には「今日(国政)状況室長、第1付属室長、政務秘書官とともに真剣なミーティングをした」とし、彼らと「文大統領が出席するかどうか」について話し合ったと書かれている。さらに1月18日には「青い瓦屋(青瓦台=大統領府)から遅くとも来週までに確実に返事をするという連絡が来た」とし、「前向きに検討しているという」と報告した。
旧統一教会の「管理対象」だった国会外交統一委員会所属の政治家たちも「ワールドサミット」への要人招待に活用されたものとみられる。2019年1月24日の報告には、与野党の外統委員を通じて「カン・ギョンファ(当時外交部)長官に電話をかけるようにする」とし、「両方から電話すれば役に立つだろう」という内容が登場する。また「28日にカン長官と日程が決まれば、イム(ジョンソン)議員が一緒に入る計画だ」とし、金品授受疑惑を受けているイム・ジョンソン民主党議員(当時)も要人招待に向けた交渉に協力していると報告した。この報告に登場する外統委所属委員たちの多くが、警察が最近家宅捜索で確保した旧統一教会の「2019年国会議員後援名簿」に含まれている。名簿に含まれた10人の議員のうち半数ほどが外統委に所属した経験があるが、このような人脈が行事への要人招待に活用されたのだ。「ワールドサミット」においては文大統領の招待が実現しなかったが、チョ・ミョンギュン当時統一部長官とチョ・ヒョン外交部第1次官が出席し、祝辞を述べた。この行事には、ディック・チェイニー元米副大統領、ニュート・ギングリッチ元下院議長、クリストファー・ヒル元駐韓米国大使など国際的な人物も出席した。
ただ、旧統一教会の国際行事開催そのものを問題視するのは難しいという見方もある。国会外統委所属議員室のある補佐官は「国家間外交や議員外交は国家対国家チャンネルで行われることもあるが、民間団体が主催する行事でも活発に行われる」とし、「旧統一教会が日本や米国などで強力な人脈を持っているならば、これを活用するのが国益に役立つ」と語った。
一方、旧統一教会の金品授受疑惑を捜査する警察庁特別捜査チームはこの日、旧統一教会世界本部総務処長を務めたC氏を呼び、参考人として取り調べを行った。警察はC氏に対し政治後援金関連資金執行があったかどうかを集中的に取り調べたという。警察は24日、韓総裁とユン・ヨンホ元世界本部長を対象に、2回目の接見取り調べを行う予定だ。
2025/12/23 22:13
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/55042.html