構造調整第1号のロッテケミカル、生き残り戦略は高機能性素材

投稿者: | 2025年12月29日

先月石油化学事業再編案を提出したロッテケミカルがナフサ分解施設(NCC)縮小と同時に本格的な事業ポートフォリオ調整に出た。既存の汎用石油化学中心事業構造から抜け出し高付加価値製品素材企業に転換する戦略だ。

ロッテケミカルは28日、「石油化学産業構造転換局面でNCC統合再編と事業ポートフォリオ高度化にスピードを出している」と明らかにした。ロッテケミカルは先月26日に忠清南道(チュンチョンナムド)の大山(テサン)産業団地で、HD現代ケミカルと合併しNCC生産設備を減らす内容の業界初の事業再編案を韓国政府に提出した。来年1月中に政府の承認が確定すれば税制優遇などの支援がなされる予定だ。

 ロッテケミカルは今回の構造調整を契機に、高付加価値・親環境事業を中心に体質改善に出る計画だ。中国発の供給過剰の中で既存の汎用石油化学事業だけでは生き残ることができないという危機感からだ。

まず来年下半期から全羅南道栗村(チョンラナムド・ユルチョン)で年産50万トン規模のロッテエンジニアリングプラスチック工場を稼動する。韓国最大の単一コンパウンド(混合物)生産工場で、モビリティ・ITなど主要核心産業に合わせた高機能性素材を生産する。一部ラインは10月から商業生産に入った。今後技術力基盤の高付加価値スーパーエンジニアリングプラスチック製品群まで生産できるよう設備を拡充する予定だ。

バッテリー素材事業も拡張する。現在子会社のロッテエナジーマテリアルズは高品質銅箔と次世代バッテリー素材技術力を基にエネルギー貯蔵装置(ESS)、人工知能(AI)、半導体分野に核心素材を供給している。未来需要に合わせAI用高付加価値回路箔の供給を増やし世界市場の需要変化に積極的に対応する計画だ。

蔚山(ウルサン)では6月から2万キロワット規模の水素燃料電池発電所の商業運転を始め、来年までに発電所合計4基を運営し8万キロワット規模の電力を供給する予定だ。また、大山では先月から韓国最大規模の高圧水素出荷センターの商業稼動に入った。ロッテケミカルは「収益性向上と競争力確保に向けた革新活動を持続していく」と明らかにした。

こうした高付加価値製品転換はすでに日本が通り過ぎた生存戦略だ。韓国輸出入銀行の「日本石油化学産業の構造調整と示唆点」と題する報告書によると、日本は3回の構造調整を通じて石油化学事業の体質転換に成功した。2014年の「産業競争力強化法」により6年以内にエチレン30%を縮小するという具体的な目標を提示し、プライムポリマー、三菱ケミカル、住友化学など大手石油化学社を中心に、ヘルスケア、高付加価値製品、情報通信技術など未来成長事業への投資を拡大した。

韓国でも高付加価値製品転換スピードは速くなる見通しだ。最近LG化学も既存の3大成長動力である電池素材、世界的新薬、持続可能性に石油化学高付加価値転換を追加して4大成長動力で再編した。業界関係者は「韓国はすぐ利益になる汎用製品に集中したため研究開発投資が比較的疎かだったのは事実。業界自らも努力しなければならず、政府も積極的に支援してこれを後押ししなければならない」と明らかにした。

2025/12/29 09:23
https://japanese.joins.com/JArticle/342712

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