李大統領「求同存異」戦略、韓中関係の転換点づくり

投稿者: | 2026年1月9日

 李在明(イ・ジェミョン)大統領が、韓国大統領としては8年ぶりの中国国賓訪問を終えて帰国した。

 李大統領は今回の訪中を通じて、2016年の中国の「THAAD(高高度防衛ミサイル)報復」以後、最も友好的な雰囲気を作り出し、「求同存異」(相異があると認めたうえで、共通点を求める)戦略を提示することで、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権を経て衝突と「嫌中」の泥沼に深く陥った韓中関係の転換点を作ったと評価されている。

 李大統領は政権発足後、韓米同盟を中心に韓日協力も進展させると同時に、中国とも可能な分野で積極的に協力するという方針を一貫して提示してきた。

 中国は「韓米同盟」重視路線を明らかにした李大統領に疑問を呈し、昨年11月の慶州(キョンジュ)韓中首脳会談で、習近平中国国家主席が掲げた「中韓関係の新たな局面を開くための4つ」の提言を通じて接点を模索した。「互いの社会制度と発展方向を尊重し、互いの主な利益と主要関心事を重視するとともに、友好的交渉を通じて矛盾と差異点を適切に処理しなければならない」という立場を示したのだ。

 国交正常化に向けた両国の接点探しは5日、北京で開かれた2回目の首脳会談で、李大統領の「求同存異」と習主席の「和而不同」(他人と協調しながらも、自分の意見や考えを安易に曲げず、むやみに同調しない)でより具体化された。

 中国外務省の首脳会談発表文によると、李大統領は「求同存異しながら、韓中戦略的協力パートナーシップを深め、両国関係発展の新たな局面を共に開いていく用意がある」と述べた。習主席も「中韓両国は『和而不同』を重視し(…)各自の発展路線を尊重し、主要利益と重大な関心事に配慮するとともに、対話と協議を通じて意見の相違を適切に解決していかなければならない」と語った。

 「求同存異」は違いは残して同じ点を探そうということであり、「和而不同」はさらなる協力を模索しながら異なる点は認めようということだ。習主席は今回の首脳会談で「歴史の正しい方を選ぶべき」とし、韓国をもう少し中国側に引き込もうとしたが、李大統領は違いは残して「韓国の座標」を強調したのだ。中日対立の渦中に行われた今回の訪中首脳会談を機に中国は日本に対する「韓中共同戦線」を構築しようとしたが、李大統領は過去に日本の侵略と植民統治に韓中が共に対抗した歴史を重視しながらも「私たちには日本も重要だ」という意向を強く伝えた。

 李大統領は今回の首脳会談で、韓中間ですぐには解決できない「氷」のような「安全保障」問題の代わりに、暮らしの問題と経済、人的交流の推進などを前面に掲げた。これを通じて両国の国民感情を改善し、信頼を築き、安保をはじめとする敏感な課題も漸進的に解決していくという新しい道を提示したのだ。今回の韓中首脳会談後、双方が科学技術革新、生態環境、経済貿易協力など15の協力文書に署名したが、中国も李大統領の新しい道に呼応したものとみられる。特に、習主席が自ら言及した人工知能(AI)、エコ産業、シルバー経済は、韓中経済協力のポイントになるものとみられる。

 今回の首脳会談で両国は朝鮮半島問題に対する中国の役割、限韓令(韓流制限措置)の解除、西海(ソヘ)構造物問題など両国の間に隔たりがある懸案については、「引き続き協議しよう」という線で妥協した。

 李大統領は7日、中国訪問に同行した記者団との昼食懇談会で、限韓令解除問題に言及する過程で、「分厚い氷は一気に作られるものではなく、一気に溶けるわけでもない」とした習主席の言葉を伝えた。習主席はまた、北朝鮮との対話再開のために中国の仲裁を要請する李大統領に「さらに忍耐を持って取り組む必要がある」とも述べたという。

 「違いを認めて接点を広げていく」李大統領の解決策は米中覇権争いが激化する中で、安保および体制と関連した敏感な問題に悪化の一途を辿ってきた韓中関係を変える発想の転換だ。

 習主席や中国の反応は友好的だ。 中国メディアは、李大統領の今回の訪中を「氷を割る訪問」(破氷之旅)と報じている。人民日報は7日、「良い方向に向かう中韓関係の発展傾向を共に大切にしよう」という論評を掲載した。

 国家安保戦略研究院のヤン・ガビョン首席研究委員は「習主席が韓国を友人であり隣人と呼び、韓国が周辺外交で重要な国だと言及した点が重要だ」とし、「中国はTHAAD以前の状態で韓中関係を戻そうとする意向を示している」と評価した。

 ヤン研究委員は特に「今回の首脳会談に対して中国は韓中関係が二国間関係に限らず、域内問題とグローバル問題でも共に協力する実質的な協力パートナーという点を強調している」とし、「このような点を踏まえた韓国の大きな戦略が必要だ」と指摘した。

 これと関連して、李大統領が訪中直前に中国CCTVとのインタビューで「戦略的自律性」を強調し、国際情勢の混乱と根本的変化の中で韓国が外交・安全保障に対する自律性を拡大するという意思を明らかにしたことは注目に値する。

2026/01/08 18:22
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/55142.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)