「勢い得た」高市首相、安保3文書改定など右傾化を加速か

投稿者: | 2026年2月10日

 「戦略3文書(安保3文書)を前倒しで改定し、安全保障政策を抜本的に強化し、憲法改正に向けた挑戦も進める」

 高市早苗首相は9日、東京の自民党本部で開かれた衆議院選の結果を受けての記者会見で、このように公言した。前日の総選挙で自民党は、1955年の立党以来で最多の議席獲得という歴史的大勝利をおさめたことで、高市首相は「高市1強体制」を構築し、自身が夢見る保守的な政策を推進する基盤が整った。

 18日と予想される国会での首相指名選挙で2期目の政権発足を確実にした高市首相は、日本の安全保障政策の根幹である「安保3文書」(国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画)を年内に改定し、国防費を増額して軍事力を強化しようとしている。安保3文書に明記された「非核3原則」(核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず)を揺るがす兆しもある。高市首相は昨年10月の就任前、非核3原則の核兵器の持ち込み禁止の再検討の必要性を明言していた。これは、米国の核兵器の日本への持ち込みの可能性を示したものとみられる。高市首相は8日、「最終的にどういう表現を使うか分からない」と述べ、非核3原則の再検討の可能性を排除していない。

 スパイ防止法制定と日本版中央情報局(CIA)の設立も、高市首相が推進を望んでいる政策だ。軍国主義時代に日本政府は、憲兵や特高警察などを動員し、日本内地と植民地の抵抗運動を絶えず監視し、徹底的に弾圧した。このため、敗戦後の日本では、保守派の主張にもかかわらず、中央政府が統合的に運営する情報機関の創設や、国家機密漏洩の場合に死刑などの重刑を科すことができるスパイ防止法の制定が実現することはなかった。もちろん、内閣官房傘下の情報機関である内閣情報調査室、そして、特定機密漏洩の場合には10年以下の懲役に処することができる特定機密保護法がすでに存在しているが、高市首相は思想の自由と人権侵害に対する懸念にもかかわらず、より本格的な組織と法律を作ろうとしている。

 日本保守政界の最大の念願である「平和憲法改正」の議論にも着手する。高市首相は9日の記者会見で、「少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われる環境を作っていけるように、私も粘り強く取り組んでいく覚悟だ」と述べた。高市首相は自衛隊の憲法明記を主張してきたが、この日の記者会見では具体的な改正案には言及しなかった。自民党は衆議院で、改憲案発議の要件の一つである3分の2以上の議席を確保したが、参議院では6議席不足している。ただし、極右の参政党などとの「政策連携」を通じて改憲発議を試みることは可能だ。

 朝日新聞は9日の社説で、自民党の公約と連立与党の日本維新の会との連立合意文には、安保3文書の年内改定、武器輸出の規制の撤廃、スパイ防止法の制定、旧軍の階級呼称の復活など、戦後80年続いてきた日本のかたちを根本から変えることが並んでいると指摘した。

 立命館大学の中戸祐夫教授(国際関係学)はハンギョレに、「高市首相は今回の選挙結果で、『責任ある積極財政』だけでなく、外交・安全保障政策についても国民の審判を受けたとして、正当性を主張するだろう」としたうえで、「今後の政策推進に対する国内基盤は整い、改憲も直近ではないにしろ、本格的な議論に突入する可能性は十分にある」と解説した。しかし、今回の自民党大勝は、圧倒的に高市首相個人の人気に依存している点などが弱点として指摘されている。歴史的圧勝のため、逆に高市首相体制に対する失望感が広がれば、政権が簡単に弱体化する可能性もある。

2026/02/09 20:29
https://japan.hani.co.kr/arti/international/55414.html

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