「韓国の対米投資、規模より投資先がカギ…為替には負担にならないだろう」(2)

投稿者: | 2026年2月12日

◇年200億ドル(約3兆円)の調達に無理はない

–ワシントンからは、非関税障壁やクーパン(Coupang)の問題に対する不満も漏れ聞こえる。状況がこじれた背景に、これらも作用したと思うか。

 「影響がないとは言い切れない。昨年、国際投資協力大使として全米商工会議所を訪れた際も、オンラインプラットフォーム規制問題に非常に敏感に反応していた。クーパンの件も、制裁するにしても感情を排して非常に淡々と行うべきだ。関係当局が何が間違っているのか事実を理路整然と問い、法律に従って処分すればいい。国会が企業代表を呼びつけて怒鳴りつけ、恥をかかせるような”ショー”をするのは、余計な逆襲の口実を与えるだけだ。こうした問題を扱うときは感情をコントロールする必要がある。感情に従って動き始めれば、誰もコントロールできない状況に陥り、結局は両国政府にとって負担となってしまう」

–戦略的対応と状況管理を通じて、我々が追求すべき究極の目標は。

「米国が主導する新しいグローバルサプライチェーンにおいて、韓国産業が意味のある位置を占めることだ。そうしてこそ、過去50年のように今後50年も我が国の経済が順航できる。これは長期的な目標なので、短期的な状況とは若干の乖離があるかもしれない。また、韓米日の三角協力と韓中間の協力が衝突する部分を合理的に管理しなければならないという難しい課題もうまく解いていかなければならない」

–対米投資問題において現実的な難関は為替だ。政府が速度を上げることが解決策にはならないという見方もあるが」

「年間200億ドルの投資規模が為替に負担を与える水準だとは思わない。外貨準備高を運用して出る収益だけで年間100億ドルだ。ここに海外でドル建て債券を発行できる窓口が元々3つある。外国為替平衡基金、産業銀行、輸出入銀行だ。それぞれ30億ドル程度は無難に調達できる。ここに、対米投資のための特殊目的会社(SPC)を作ることにしているではないか。SPCまで債券発行を行えば、200億ドルを作るのは大きな問題にならない。対米投資の核心的なカギは、規模よりもどこに投資するかだ。ある程度の収益性がある場所に投資し、収益を両国が合理的に共有できるならば、市場の懸念を払拭できる。政府もこうした部分に焦点を合わせ、市場により明確なメッセージを出し続ける必要がある。為替市場に直接的な負担は与えないし、最大限収益性のある場所に投資するので心配する必要はないと、正確に伝えなければならない」

◇最優先の産業政策は規制撤廃

–ウォン相場が1ドル=1400ウォン台半ばがニューノーマルになったほど、市場の不安が根強いが。

「大きく心配しなくてもいいのは、我々は基本的に純債権国であり、貿易収支の黒字国だからだ。今年の対米貿易黒字だけでも800億ドルを超える見通しだ。このような通貨が崩壊するはずがない。為替が今より大幅に上昇する要因も見当たらない。米国株の急激な上昇はストップした状態なので、個人の海外投資の規模も昨年よりは増えないだろう。何より為替を見るときは、自国の数字だけでなく、周辺国の主要通貨の動きと比較してみるべきだ。ウォンは日本円に同調する傾向が強い。通常10対1程度だが、現在は過度に外れた水準ではない。先日、ベッセント米財務長官が口先介入した際に、ウォンと円について同時に言及したのもそのためだ」

–昨年末、政府の市場介入が少なくなかった。今後はどう対応すべきか。」

「一度くらいは警告する必要があった。しかし、あまり頻繁ではいけない。いたずらに外貨準備高を消耗させるだけだからだ。投機勢力が問題なら、政府が身を挺して防がなければならない。今は心理管理の方が重要だ。また、為替が物価に影響を与える可能性があるが、安価な輸入品の拡大などを通じて対応する必要がある。外貨準備高も長期的には拡充する必要がありそうだ。私が国際金融局長をしていたころ、全世界を回っている流動資金は2兆ドル程度だと言われていた。今は10倍ほど増えて20兆ドル程度だろう。しかし外貨準備高は、当時より2倍程度に増えたに過ぎない」

–全世界が産業政策の時代に回帰している。我々はどう競争すべきか。

「米国や中国のように戦略産業を集中的に支援することも重要だ。しかし、韓国にだけある規制をなくしてやることが先決だ。韓国は今や、あらゆる面で先進国だ。国内総生産(GDP)・人口・軍事力などを総合した『国家総国力』が6位という外信の評価もあった。そのような先進国で、なぜ特化した規制が存在しなければならないのか。黄色い封筒法などが代表例だ。公正取引法も競争制限を防止するのはいい。だが、経済力集中を阻む規定は韓国にしかない規制だ。1984年に導入された制度だが、当時は事実上、閉鎖経済の時代だったので意味があった。しかし、40年が経ち、開放されグローバル化された経済においてそのような制度を維持していることは、外国人には不思議に見えるだろう。補助金を出すことよりも、まずこうした古い規制、特に韓国だけに存在する規制をなくすことが出発点だと考える。これができなければ何の意味もない。他の問題は二の次だ」

–官僚社会の活力がめっきり落ちた感じだ。現場では、積極的に仕事をして政権が変われば目を付けられるのではないかという懸念が強い。

「官僚にある程度の権限を与えた上で、責任を問うてほしい。今は責任だけを問う構造だ。このような状況で、行政官僚制度がまともに機能するはずがない」

2026/02/12 15:43
https://japanese.joins.com/JArticle/344782

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