【コラム】強大な交渉テコを奪われたトランプ大統領の「かんしゃく」

投稿者: | 2026年2月24日

トランプ米大統領がまた気まぐれを見せた。彼は米連邦最高裁が国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に課した関税を違法と判決した20日、1974年の貿易法122条を根拠にすべての輸入品に10%の関税を課すとした。ところが翌21日には関税率を15%に引き上げた。彼は自分を交渉の鬼才だと考える。最も信頼できるテコを奪われいらだちを隠すことができなかった。

IEEPAは米国の5つの関税関連法のうち米大統領の裁量権を最も幅広く規定している。大統領が国家安全保障を理由に貿易相手国に関税を課せるからだ。昨年トランプ大統領が元大統領に対する裁判を中断せよとしてブラジルに関税50%を課したのが代表的な例だ。

 IEEPAが与えた裁量権が大きいだけに相手国を圧迫する効果も満点だった。トランプ大統領が関税を課せば韓国と日本、欧州などは急いでワシントンに駆けつけて数千億ドルを投資すると約束することでトランプ大統領の寛大な措置(相互関税率引き下げ)を期待できた。

もう米議会が新たな法律を作らない限りトランプ大統領が使える方法は4つだけだ。すでに使っている貿易法122条をはじめ、▽1930年の関税法338条▽1962年の通商拡大法232条▽1974年の貿易法301条だ。これらの法は制約条件が明らかだ。貿易法122条の最高税率は15%だ。議会の延長議決がない限り150日後には関税を課すことはできない。残りの法律は数カ月かかる事前調査を義務化している。制約条件が明らかだということはだれかが訴訟を起こせばトランプ大統領の敗北に好都合という話だ。結局トランプ大統領が交流サイト(SNS)を通じて電撃的に関税を課す方式で相手国を圧迫する交渉技術を使うことが事実上不可能になったわけだ。

トランプ大統領は最高裁判決直後「長年にわたり米国を食い物にしてきた国は、いま街で踊り出すほど喜んでいる。しかしその喜びは長くは続かないだろう」と声を高めた。トランプ大統領の言葉通り、品目関税などで相手国を圧迫しようとする試みが今後も続く可能性がある。

しかし米外交問題評議会(CFR)の報告書によると、残った法条項もIEEPAほど幅広い裁量権と強力な交渉力をトランプ大統領に与えることはできない。それならトランプ大統領ができることはノーベル経済学賞受賞者であるニューヨーク市立大学のポール・クルーグマン教授が最高裁判決直後にSNSを通じて予測した通り「かんしゃく」かもしれない。内面の無力感が憤怒として表出されるという話だ。

カン・ナムギュ/国際経済先任記?

2026/02/24 12:02
https://japanese.joins.com/JArticle/345244

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)