トランプ米大統領が韓国・日本・英国・フランス・中国など7カ国に派兵を要請した。イランのホルムズ海峡封鎖に対応して航路の安全確保のための軍艦派遣など国際協調に参加するよう促したのだ。ホルムズ海峡は世界原油量の約20%、LNGの25%が通過する海上交易路だ。米国とイスラエルが始めた中東戦争の渦中にイランがこの海峡を封鎖し、国際エネルギー需給の最大の不安要因に浮上した。
派兵要求の反応が良くないためトランプ大統領は不満を吐露したが、国際協調は言葉で話すように簡単なものではない。まず米国-イラン戦争の正当性をめぐりさまざまな視点が存在する。多国の戦争に巻き込まれるという懸念も強い。南北対峙状況で海軍の艦艇を派遣するのは容易でない。現場の状況は厳しい。この海峡の最も狭い区間は幅が21海里(38キロ)だが、石油海上輸送の動脈がこの水域に圧縮されている。
航路に1発でも機雷が発見されれば海上交通は中断されるが、イランはすでに機雷を敷設したと伝えられている。機雷だけでなくイランはドローン・ミサイルなど非対称手段を利用して通航船舶の国籍を選別し、打撃しながら海峡を封鎖している。いくらミサイル防衛能力が優れた艦艇でも、砲火攻撃が防御網を突破する隙間があり、深刻な損傷が考えられる。このため国際協調に参加する艦艇は船体と人命被害が発生する状況を覚悟する必要がある。イランの最も強力な武器は核爆弾でなくホルムズ海峡統制という声も出ている。
しかしこうした危険性や政治的賛否論争とは別に冷静に国益を考慮すれば、可能な範囲で国際協調に参加する案を講じるべきだろう。1つ目、ホルムズ海峡は韓国の海外エネルギー輸入量の60%以上が通過する死活的な交易路だ。交易路の確保は他人事でない。
2つ目、国際協調に参加すれば韓国が国際海洋秩序と海洋安保に寄与できる海軍力を具備した中堅国という地位が国際的に認められる。実際、世界最強という米国海軍を含めて世界のどの国の海軍も単独で海上交易路の安全を保障するのは難しい。これは国際協力をしてこそ可能なことだ。南シナ海とインド洋にかけて長く伸びる韓国の海上交易路も同じだ。
3つ目、韓米同盟の強化のためだ。トランプ大統領は米国優先政策を推進しながら同盟およびパートナーが自国の安保の責任を負い、国際安保に寄与する場合に限り制限的に重要な安保支援をすると公言してきた。韓国は昨年10月に妥結した韓米関税交渉を通じて投資・安保など米国といくつかの方面で協力を強化している。北朝鮮の核・ミサイル脅威と中国の海洋膨張などを考慮し、韓国は米国の協力要請を検討する必要がある。
今回の戦争で韓国の海上交易路の安全確保がいつよりも重要になった。海上交易路は大きく3段階で確保される。1つ目、韓半島(朝鮮半島)周辺管轄海域では海軍と海警が「一つの国家艦隊」のように一糸乱れぬ合同作戦能力を具備し、主な貿易港湾を防護して沿岸貿易航路を保護する。2つ目、中東航路や米国航路のような韓国の管轄海域を越える海上交易路の安全は国際法に基づく海洋秩序と友好国との協力を通じて確保されるしかない。韓国はこのような活動に積極的に参加しなければいけない。
3つ目、国籍商船に対する協力および指導体制の構築も必要だ。これは海上貿易路で航行中の国籍船を有事において安全な航路で誘導・護送するための通信および状況共有体系を普段から構築することだ。現在、衛星通信を中心にしたリアルタイム情報通信網が国籍船舶で運用されている。海洋水産部と海軍および海警艦艇、そして国籍船舶の間の非常連絡体系を整備してこそ危機状況に迅速に対応できる。
今回の事態を通じて韓国は安全な海上交通がどれほど重要かを自覚しなければいけない。その間、韓国は地域海洋安保を米海軍に依存しながら海上交通の安全を当然視してきた。しかし米海軍力が縮小する中で中国が新たな海洋強国として登場し、国際政治の現実が急変している。安保政策の決定者はこうした変化を注視しながら海上交通の安全に徹底的に備える必要がある。
チョン・ホソブ/海軍協会会長/元海軍参謀総長
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2026/03/19 14:29
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