火葬場の火が消え薪を使う事態に…アジアを襲う異例の「リコール」ショック

投稿者: | 2026年3月20日

お茶の代わりにレモン水、薪による火葬、在宅勤務の再導入–。

米国のイラン戦争の余波で原油およびガスの供給難に直面しているアジア各国が、時ならぬ「リコール(Re-coal=石炭回帰)」時代へと旋回し、悲鳴を上げている。イランによるホルムズ海峡封鎖が長期化し、燃料不足事態がいつ解消されるか不透明な中、庶民の生活全般にまで衝撃波が広がっている。

 ホルムズ封鎖の余波が直撃した代表的な国はインドだ。日常生活のエネルギー源として広く活用されている液化石油ガス(LPG)の90%近くを中東からの輸入に頼っているためだ。燃料が不足したインド各都市の飲食店では、お茶の代わりにレモン水を出したり、揚げ物の代わりに米やレンズ豆など比較的少ない燃料で調理可能なメニューに調整したりしている。デリーの一部飲食店では調理を最小限にするため、あえて「米とレンズ豆のみ提供可能」という案内文を掲示しているほどだ。デリー高等裁判所の食堂では、サンドイッチのみが提供されたという。

南部ケララ州などではこれさえも困難で、一部の住民が薪を利用する前近代的な炊事方式に戻っており、一部のフランチャイズ飲食店はIH調理器を急きょ導入している実情だ。インド外食業協会によると、全飲食店の約5%が休業状態だ。

香港サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)やブルームバーグも、早朝から燃料確保に乗り出した市民がガス充填所などに殺到し、待機順序を巡って衝突が発生したほか、商業用の大型ガスボンベが盗まれる事例もあったと伝えた。

大部分を火葬で弔うアジア諸国の葬儀にも影響が及んでいる。「タイムズ・オブ・インディア」は、インド南東部ビジャヤワダなどでLPG不足によりガス火葬場が停止、または縮小され始めたと15日、報じた。高騰するLPG価格のため、費用が約3000ルピー(約5100円)から7000ルピー以上に急増し、一部の遺族は不可避的に薪を使用する伝統的な方式に転換した。また、インド・コインバトールでは、市当局がガスと薪を混ぜる混合方式を勧告したという。

ブルームバーグは、タイ・チャチューンサオ州の寺院も火葬用のディーゼル燃料を入手できず、火葬サービスの中断の可能性まで警告したと伝え、「このような葬儀への支障に対する懸念は、これら諸国が直面している燃料不足事態がいかに深刻化しているかを示している」と指摘した。

新型コロナウイルスのパンデミック時に導入された在宅勤務も再び注目を集めている。

タイ政府は公的機関に対し、必須人員と公共サービスを除いた「全面的在宅勤務」を指示する一方、エアコンの設定温度も26〜27度に合わせるよう求めた。さらに、スーツやネクタイの代わりに半袖の着用を勧告した。エネルギーコストを最小限に抑えようという苦肉の策だ。状況がさらに悪化すれば、商店や映画館の看板などの消灯や、ガソリンスタンドの早期閉店まで検討することにした。

フィリピンは、すべての官公庁に燃料・電力消費量を10〜20%削減するよう命じ、一部で週4日勤務制を導入した。ベトナム政府は民間企業に対しても在宅勤務の勧告を出した。

エネルギー配給制も登場した。

スリランカは3月中旬から、オートバイは週5リットル、乗用車は週15リットル、バスは週60リットルといった車種別の燃料配給を開始した。18日には車両番号の偶数・奇数制限(ナンバープレート規制)まで導入し、指定された日のみ給油が可能となった。ネパールは13日から、空のLPG容器を半分だけ充填する炊事用ガスの配給に入った。買い占めや行列を防ぎ、半分ずつの充填で需要を分散させるためだという。

一方、ロイターは17日、「石炭に回帰するアジア(Asia pivots to coal)」という記事を通じ、タイ政府が最近、火力(石炭)発電所に最大容量での稼働を指示したほか、バングラデシュ、フィリピン、日本などの国々も火力発電を再び増やし始めたと報じ、カーボンニュートラル(炭素中立)はエネルギー危機時には守るのが難しい約束であることを浮き彫りにしたと指摘した。

2026/03/20 10:29
https://japanese.joins.com/JArticle/346462

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