尹・岸田「北朝鮮の非核化」…李「関連側の自制を」

投稿者: | 2024年5月28日

「協力」という単語は63回登場したが、「韓半島(朝鮮半島)の完全な非核化」という表現は入らなかった。27日、ソウルで開かれた韓日中首脳会議共同宣言のことだ。北朝鮮の核脅威の直接的な当事者である韓国としては残念な部分という指摘だ。共同宣言文は38項目、計5600字余り分量となった。

この日発表された第9回韓日中3国首脳会議共同宣言で、韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と日本の岸田文雄首相、中国の李強国務院首相は「我々は地域内の平和と安定、韓半島の非核化、拉致問題に対する立場をそれぞれ再強調した」と明らかにした。これは2019年第8回首脳会議共同宣言に含まれた「我々は韓半島の完全な非核化のために努力する」という文章よりも後退したものだ。これより先に発表された3国首脳会議共同宣言にも「韓半島の完全な非核化を約束する」(2018年5月)、「韓半島での核兵器開発に確固として反対するという立場を再確認する」(2015年11月)という文面が入った。

 共同宣言発表に先立ち、この日午前に開かれた共同記者会見で現れた韓日と中国間の認識の違いは大きかった。尹大統領は「究極的に自由で平和な統一韓半島を実現するという目標」に言及して「北朝鮮の非核化のために努力することが重要だ」と強調した。岸田首相は「北朝鮮の非核化と朝鮮半島の安定が共同の利益」と明らかにした。

だが、李首相は「中国は始終一貫して韓半島の平和、安定と韓半島問題の政治的な解決を推進する」とし「関連側は自制を維持して、事態が悪化して複雑化することを予防しなければならない」と述べた。「関連側の自制」は対立する両側はどちらも正しくないとして、中国が維持してきた典型的な中立的態度だ。李首相は北朝鮮がこの日予告した衛星打ち上げに対する懸念はもちろん「非核化」という単語にも言及しなかった。

このような結果は共同宣言最終文案の調整過程で中国側が異見を示して後退した文案に合意したとみられる。議長国の韓国の立場としては現実的限界を考慮して、協力に傍点をつけるために妥協を選んだとみることができる。

これに関連して、政府高位当局者は「最近の地政学的状況を考慮すると、北朝鮮非核化問題に関連して中国から過去のような合意を引き出すことは難しい」とし「中国が昨年から対外的に使っていない『韓半島非核化』という言葉を共同声明に含んだことも意味がある」と述べた。

慶南(キョンナム)大学極東問題研究所のイ・ビョンチョル教授は「北朝鮮の完全な非核化という目標は現実的に難しくなったという中国の意中が反映されたとみられる」とし「それでも1杯目の酒ですぐにお腹が膨れるはずはないので、3国首脳会議の試みは肯定的に評価する余地がある」と述べた。

共同宣言に「3国が国連安保理理事国として(今年)共に活動する」という内容が含まれた点は注目される。「3国協力体制内からだけでなく、国連安保理など多国間協力体制でも緊密に疎通することを再確認する」ともした。韓日が安保理次元で対北朝鮮共助に中国を抱き込む効果を期待することができるという分析だ。

一方、尹大統領は李首相との別途の歓談の席で、脱北民問題に対する協力を要請し、李首相は「韓国側の懸念をよく知っていて、今後も引き続き疎通していく」と応じたとキム・スギョン報道官が伝えた。

2024/05/28 07:28
https://japanese.joins.com/JArticle/319169

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