北朝鮮が27日に軍事偵察衛星2号機と推定される飛翔体を打ち上げたが失敗した。昨年11月21日に初の軍事偵察衛星打ち上げに成功してから188日ぶりだ。北朝鮮はこの日「偵察衛星打ち上げに失敗した。新型衛星キャリア・ロケットが1段の飛行中爆発した」と明らかにした。韓国軍もこの日打ち上げ2分目に「破片を探知した」と発表した。
韓国合同参謀本部はこの日午後11時30分、出入り記者団にショートメッセージを送り、「韓国軍はきょう午後10時44分ごろ北朝鮮が平安北道東倉里(ピョンアンブクド・トンチャンリ)一帯から黄海南側方向に打ち上げた『北朝鮮主張の軍事偵察衛星』と推定される航跡1個を捕らえた。この飛翔体は午後10時46分ごろ北朝鮮側海上で多数の破片として探知され、韓米情報当局は正常な飛行の有無を細部分析中」と明らかにした。
◇北朝鮮、中国首相出国すると「発射ボタン」…韓日中密着に当てつけ
北朝鮮はこの日午前3時ごろ、「5月27日午前0時から6月4日午前0時までの間に『衛星ロケット』を打ち上げる」と日本政府に通知した。
NHKによると、この日10時46分日本防衛省は「北朝鮮が弾道ミサイルと推定されるものを打ち上げた」と明らかにした。これに伴い、弾道ミサイルと推定される飛翔体が通過すると予想された沖縄県にJアラートが発令された。その後飛翔体は日本上空を通らないと判断され午後11時3分にJアラートは解除された。日本政府はこの日打ち上げられたものが北朝鮮政府が予告した偵察衛星なのかどうかを分析中だ。
NHKは入手した映像を根拠に打ち上げ失敗の可能性を提起した。これによると夜10時40分ごろ中国と北朝鮮の国境から50キロメートル離れた地域で大きな火炎が観測された。防衛省関係者は「映像では液体燃料が燃えているとみられるが、現在詳細を分析中」と話した。また別の日本政府関係者は「何らかのトラブルにより爆発した可能性」に言及した。
NHKは現在、日本政府首相官邸に設置した対策室で情報を分析中で、緊急参謀チームが官邸室に集まり今後の対応を協議していると伝えた。また「北朝鮮から発射されたものはレーダーから消えたということで、失敗したとみられる」と報道した。
峨山(アサン)政策研究員のヤン・ウク研究委員も「黄海から南側に向かって打ち上げたとすれば衛星である可能性が高い。メディアの報道で赤い炎がとらえられたということは液体燃料がすべて燃焼していない状態で爆発したという意味で、これは非正常的な状況で爆発したという意味になる」と話した。
打ち上げが失敗したのが事実ならば今年中に衛星3基を打ち上げると公言した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長としては痛恨の結果だ。ロシアに弾薬と砲弾、弾道ミサイルなどを提供した見返りとして最も切実な衛星関連技術を確保したが失敗に帰したためだ。今回の打ち上げを控えロシアの技術陣も北朝鮮に入国したという。また、エンジン燃焼試験も最小3回以上実施した。
すでに昨年2度にわたり衛星打ち上げに失敗した後、ロシアの助けで昨年11月に初めて万里鏡1号の打ち上げに成功したが、技術進展を立証しなければならない2号機で打ち上げ直後に空中爆発という結果につながった。北朝鮮は昨年8月に千里馬1型の2度目の打ち上げ当時、2時間30分後に打ち上げ失敗の事実を認めた。
NHKが中朝国境で撮影された爆発映像を入手して世界に公開し「最高尊厳」の威信にも傷が避けられなくなった。これに対し金委員長が政治的に効果を最大化できるタイミングを狙って技術的に不十分な部分を改善できないまま急いで打ち上げたのではないかとの推測も出ている。この日はソウルで韓日中首脳会談が開かれたためだ。
北朝鮮は「韓半島(朝鮮半島)非核化」に言及した共同宣言が出ると2時間ほどで「朝鮮半島の非核化をうんぬんする『共同宣言』が発表された」として反発する外務省報道官談話を出し、深夜の挑発まで敢行した。北朝鮮最大の友好国である中国が参加する首脳会議である点も意に介さない計算だが、これは韓日と非核化問題を論じた中国に向けた反発の性格もありそうだ。「韓半島の完全な非核化に向け努力する」という2019年の首脳会談水準の表現は盛り込まれなかったが、韓日中が密着する動きだけでも北朝鮮が気分を害したという指摘が出ている。
また、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はこの日中国の李強首相に別途の歓談を通じて北朝鮮が敏感に考える脱北者問題に対する協力を要請した。北朝鮮がこの日日本に軍事偵察衛星を来月4日までに打ち上げると通知したのも3カ国首脳会議に対する牽制の性格が大きかった。ただこの日の打ち上げは李首相が出国した後に行われた。
2024/05/28 07:34
https://japanese.joins.com/JArticle/319171