中国の年次の政治行事である両会(全国人民政治協商会議・全国人民代表大会)では、今年の中国の対外政策と両岸(中国と台湾)関係に関するさまざまなメッセージが提示された。先月の両会期間中に採択された第15次5カ年計画(2026~2030)、政府業務報告、外相による対外政策関連の記者会見などから、そうしたことを確認できる。これに加え、米国・イスラエルとイランの戦争など国際情勢の急激な変化が重なったことから、現時点における中国の台湾と東アジアに関する政策を詳細に検討する必要がある。
一つ目に、中国共産党は2025年を「きわめて非正常的」「あまりにも普通ではない」一年だったと位置づけた。対外環境の面では、第2次トランプ政権の任期開始から1年が経過したが、国際政治と経済情勢の変動は依然として厳しい。米中競争は続き、日中関係は低調なままであり、中東での緊張は高まっている。対内的には、経済が下方圧力を受け続けている。中国人民解放軍の上層部と、新疆ウイグル自治区の党書記であり中国共産党中央政治局委員だった馬興瑞の失脚が続いた。共産党指導層の相次ぐ失脚は、来年開催予定の中国共産党「第21次党大会」にも影響を及ぼすと予想される。これは、習近平がここ数年間強調してきた「百年ぶりの大転換」と相まっており、東アジア政策も同様に、このような情勢判断のもとで推進されている。
台湾政策の側面からみると、両会期間中の公式文書について、2点に注目する必要がある。1点目は、政府業務報告では、昨年は「台湾独立に反対する」という表現を用いたが、今年は「台湾独立を打撃する」に変わったことだ。これは、台湾に対する反独立政策の強度がさらに高まることを示唆している。2点目は、「両岸の融合発展」が各種報告の主な基調として定着したことだ。最近の中国軍の高級将官に対する粛清以降、比較的穏健な統一路線を担当する組織がさらに力を得る可能性があるという見方も出ている。実際、ここ2カ月間、中国軍用機の台湾周辺での飛行は大幅に減少し、中国が台湾第1野党「中国国民党」の鄭麗文主席を中国に招待したことも、このような背景によるものだとみられる。ただし、中国は台湾に対する軍事訓練やグレーゾーンでの圧力といった威嚇手段を手放すことはなく、「片手にニンジン、もう片手にムチ」の戦略を当面は継続するものとみられる。
二つ目に、日中関係をみると、2025年11月に日本の高市早苗首相が、台湾有事における集団的自衛権の行使は可能だと発言した後、両国関係には明確な回復の兆しはなおみられない。中国政府、在外公館、官営メディアは、日本に対する強い批判を続けている。特に注目すべき点は、中国が台湾政策で言及する「外部勢力の干渉に反対」が、かつては主に米国を指していたのに対し、最近では日本を指す傾向が強まっていることだ。最近、数千隻の中国の漁船が東シナ海で大規模に集結し、海上に障壁を築き、長期間にわたり広範囲な管制空域を設定したのは、日本の介入を阻止するための訓練だと読み取れる。
最後に、米中関係をみると、両会期間中とその後の中国政府の対米発言は、比較的穏やかなトーンを維持している。米・イラン戦争についても、原則的な立場を述べるにとどめ、強い批判は自制している。これは、米中首脳会談を控えた中国の「自制した態度」だと解釈される。たしかに戦争で首脳会談が5月中旬に延期されたが、両国とも国内政治の日程上、首脳会談の必要性は高い。米国は中間選挙と2028年の大統領選を控えており、中国は来年に「第21次党大会」を開催し、習近平国家主席の4期目を決めることが予想される。このような状況のもとで、貿易、技術、レアアース、そして、中東、ロシア・ウクライナ問題と台湾問題を含む問題全般において、両国間で「ビッグディール」が行われるのかどうか、世界が注目すべき重要な焦点として浮上している。
2026/04/12 23:31
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/55916.html