「いったいどういうことだ」
22日、韓国の証券市場の投資家たちが一斉にざわついた。この日、時価総額50兆ウォンを超える現代自動車の株価が一日で実に9.49%も急騰したからだ。一日の上げ幅としては、2021年1月8日(19.42%)以来3年4カ月ぶりの大きなものだった。
市場の参加者たちが首をかしげたのは、この日の現代自動車には明確な好材料がなかったからだ。2021年1月8日に現代自動車の株価を10%以上押し上げたのは、現代自動車が「アップルカー」を共同開発するとのニュースだった。ある私募ファンドの代表は、「この日(22日)午後に機関投資家の間では、現代自動車が近いうちに配当・自社株買いなど株主還元率を日本のトヨタと同じ40%台にまで引き上げることを発表するという話が駆け巡った」と語った。この日、外国人投資家は現代自動車株を前日の9倍あまりの2340億ウォン分買い越し、株価上昇をけん引した。情報力の高い外国人投資家が好材料となりうる情報を先んじて得て、大規模に株を購入したのではないかということだ。しかし現代自動車は、「投資家にそのような内容について述べたことはなく、事実無根のデマ」だと反論した。
最近、株価が「急に跳ね上がる」現象が見られる大型株は現代自動車だけではない。28日には、KOSPIでLG電子の株価は前取引日より13.38%上昇の10万9300ウォン(約1万2600円)で取引を終えた。一日の株価上昇幅としては2020年12月23日(29.61%)より後の3年5カ月で最大だ。
一方この日、LG電子が属するKOSPIは0.01%下がり、KOSPI内の「電気電子業種」指数は0.41%上昇にとどまった。同社の株価は全般的な市場の流れとは関係なしに動いたということだ。この日、市場では、LG電子の保有する電力熱管理技術が人工知能(AI)半導体を使用するサーバの熱を冷ますのに役立つことから、「AI恩恵株」になりうると説明された。ただしこれは、朝からLG電子の株価が上昇し続けた後に登場した分析に過ぎない。ある証券会社の関係者は、「証券市場全体や業種の流れとは関係なしに特定の大型株の株価が最近のように相次いで急騰するのは非常に珍しい」と述べた。
韓国で時価総額1位のサムスン電子も例外ではない。27日のサムスン電子の株価は取引序盤から弱含みで、前日より2.50%下落の7万4000ウォン(約8540円)まで下がったが、午後に入ってからは大幅に反騰し、7万7200ウォン(約8900円)で取引を終えた。この日一日だけで5%以上もの上昇だ。市場では、米国の半導体メーカーNVIDIAに対して半導体を供給するための「クオリティーテスト(品質検証)」が最終段階に入った、米国AMDがサムスン電子に半導体生産を委託する、との推測が駆け巡った。
このように時価総額が数十兆~数百兆ウォンに達する大型株の株価が相次いで急騰するのは、大規模な待機資金の偏りの影響だとする分析がある。国内証券市場に明るいあるヘッジファンドのチーム長は、「グローバル証券市場の条件は友好的だが、韓国の証券市場は主導セクターがないため、株価が長期にわたって抑えられていた中で評価が低かった銘柄に少しでも好材料と思われるニュースがあれば、投資の短期的な偏りが現れるのだと思われる」とし、「このような相場はしばらく続くとみられる」と語った。
2024/05/28 16:58
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