◆「中国ドラマらしさ」にはまるファン
「古くさい」「決まった展開でレベルが低い」。これまで中国ドラマに対する評価はこのようなものだった。しかし最近はその「中国ドラマらしさ」にはまるドラマファンが現れている。これは中国ドラマが「古くささ」から脱しているということでもある。今年3~4月に中国ドラマでは初めて韓国ネットフリックスでトップ10入りした『惜花芷~星が照らす道~』がその代表的な例だ(最高2位)。4月には『惜花芷』と『月鱗綺紀』の2作品がトップ10に入った。
『惜花芷』は架空の古代王朝を背景に、のちに女将軍となる平民の娘(チャン・ジャーニン)が、身分を隠した貴族の将軍(フー・イーティエン)を救うところから始まるロマンス・アクション史劇だ。戦争と復しゅうという活劇的な要素に契約結婚カップルのロマンスを織り交ぜた。一部の衣装や小道具が韓国風という「東北工程」の声もあったが、端正なルックスの主役カップルが見せるロマンスの相性に合格点を与える視聴者が多く見られた。
中国ドラマの人気は複数のOTT(動画配信サービス)を通じた中国ドラマの物量攻勢から始まった。2025年上半期、TVING(ティービング)、Wavve(ウェーブ)、WATCHA(ウォッチャ)に登録された中国ドラマはそれぞれ800件を超え、3年前と比較して倍以上に増えた(韓国コンテンツ振興院)。28日時点のTVING「リアルタイム人気ドラマ20」には6本、Wavve「海外シリーズトップ20」には14本の中国ドラマがランクインした。
クーパンプレイは中国の映画・ドラマだけを別途配信する有料会員制サービス(モアパス)を運営中だ。古装劇(時代劇・フィクション史劇)や仙侠(仙人ファンタジー)といった中国ドラマ特有のジャンルに加え、最近は韓国ロマンスの手法を取り入れた現代劇の中国ドラマも好評を得ている。かつて中国ドラマのファンといえば武侠モノを好む中高年男性が中心だったが、最近は20~40代の若い女性に拡大しているのが特徴だ。韓国国内のドラマでは個性的なビジュアルの俳優が注目される一方で、「男神」「女神」級の正統派美男美女俳優が多い中国ドラマが、俳優のビジュアルを没入要素として重視する韓国ファンの好みに合うという指摘もある。『惜花芷』は中国本土のドラマでは初めてグローバルネットフリックスの非英語コンテンツトップ10にも入った。
◆ショートフォームドラマも中国熱風
縦長の画面に毎回1~3分前後の短いエピソードで隙間時間を攻略する「ショートフォームドラマ市場」を主導しているのも中国だ。ドラマボックス、ショートマックス、リールショートなど世界の主要なショートドラマアプリはすべて中国系だ。世界のショートドラマ市場規模は2023年の50億ドルから2024年には120億ドルへと倍以上に成長した(メディア・パートナーズ・アジア)。韓国国内でも中国アプリが優勢な中、トップ5内に定着した唯一の国産アプリ「Vigloo(ビグルー)」の善戦が目を引く。中国が資本・プラットフォーム・AI技術力を武器に世界のショートドラマ市場を席巻する中、ストーリーテリングや演出に強みを持つ韓国ドラマ業界がどう対応するかがカギとなる。
「中国はショートフォームで成長し、日本はブランデッドドラマの拡張などで収益を補完している。BBCは配信方式をユーチューブに移行したりもしたが、韓国はショートフォーム市場の方向性も定まらず、国内OTTの赤字からも脱却できていない」。今月11日にソウルで開かれた韓国ドラマPD協会創立記念セミナーでイ・ウンギュPDが語った言葉だ。依然としてKコンテンツ強国ではあるものの、混沌とした市場で軸を据えて方向性を提示する政府の政策・役割が急がれるという提言だ。
ヤン・ソンヒ/文化コラムニスト
2026/04/30 13:38
https://japanese.joins.com/JArticle/348416