イランとの戦争の過程で、米国がTHAAD(高高度防衛ミサイル)の迎撃ミサイル在庫の約半分をイスラエル防衛のために消耗したのに続き、主力無人攻撃機のMQ-9リーパーの約20%を失ったことが分かった。中東戦争が長期化するにつれ、米国の高価な防衛・監視・攻撃資産が急速に減少し、朝鮮半島や東アジアの安全保障にまでその余波が及ぶ可能性があるという懸念が高まっている。
ワシントン・ポスト紙は21日(現地時間)、複数の米安全保障当局者の話として、米軍がイスラエルを狙ったイランの弾道ミサイルを迎撃するために、THAAD迎撃ミサイル200発以上を使用したと報じた。これは米軍が保有するTHAAD迎撃ミサイルの在庫の約半分に相当する規模。米軍はこれとは別に、東地中海上の艦艇からスタンダード-3(SM-3)とスタンダード-6(SM-6)迎撃ミサイルも100発以上発射したという。
一方、イスラエル軍は、比較的安価な迎撃ミサイルであるアロー(Arrow)を100発未満、ダビデスリング(David’s Sling)を約90発使うにとどまったという。ワシントン・ポスト紙は米当局者の話として、「米国とイスラエルが戦争前にミサイル防衛の役割分担で合意しており、その結果、米国のTHAADと海上発射型迎撃ミサイルが、イスラエルを狙った弾道ミサイル攻撃の相当部分を吸収する構造となった」と説明した。
米国のシンクタンク「スティムソン・センター」のケリー・グリエコ上級研究員はワシントン・ポスト紙に対し、「米国の生産ラインが需要に追いついていない」とし、「イランとは関係のない場所で、つけが回ってくる可能性がある」と語った。同紙は、米国の迎撃ミサイル不足が、北朝鮮や中国の潜在的な脅威に直面している日本と韓国を不安にさせていると分析した。
米国の負担は防衛体制にとどまらない。ブルームバーグ通信はこの日、米軍が運用していたMQ-9リーパー無人機が24機以上破壊され、損失規模は最大30機に達する可能性があると報じた。これは戦争前に米国防総省が保有していたリーパー戦力の約20%に相当し、損失額は10億ドル近くに上る。
リーパーは、高性能な監視装置やカメラを搭載し、ヘルファイアミサイルや精密誘導爆弾などを運用できる無人攻撃機。米軍はイランとの戦争において、操縦士を危険にさらすことなく偵察・攻撃任務を遂行するため、リーパーを集中的に投入してきた。しかし、1機あたりの価格が約3000万ドル(約4億7700万円)に達するリーパーは、現在米軍向けの生産が中止されている機種であるため、短期間で代替することは難しい。
「ブルームバーグ・エコノミクス」のベッカ・ワッサー国防担当シニアアナリストは、「MQ-9は無人機という点で消耗可能な資産のように見えるかもしれないが、あまりにも高価で数量も少なく、生産ラインもないため、実際には消耗品とは見なせない」と語った。
ドナルド・トランプ米大統領がイランとの終戦合意の可能性に言及しつつも、攻撃の再開と保留を行き来する背景の一つとして、米軍の戦力負担を挙げる分析もある。ワシントン・ポスト紙は、米国のミサイル防衛体制が急速に弱体化した点が、トランプ大統領にイランとの戦争継続を躊躇わせる要因になり得ると指摘した。また、複数の米当局者の話として、「最近、イスラエル軍がメンテナンスのために自国の防衛砲台の一部を稼働停止することにしたため、戦争が再開された場合、米国の迎撃ミサイルの枯渇状況はさらに悪化するだろう」と見通した。
2026/05/22 14:33
https://japan.hani.co.kr/arti/international/56258.html