先週、李在明(イ・ジェミョン)大統領と高市早苗首相が安東(アンドン)で韓日首脳会談を行った。李在明政権の発足から1年間で日本首相との6回目の会談となり、韓日首脳間のシャトル外交が定着した。金大中(キム・デジュン)政権を除く歴代進歩政権とは異なり、日本との関係を強化する李在明政権の外交路線は、韓国の外交環境をかなり安定させ、多くの国民を安堵させた。
今回の会談で両国首脳はLNG・原油の備蓄、スワップ、サプライチェーン回復力における協力を強化することで合意した。イラン戦争の余波が両国のエネルギー安全保障に大きな衝撃を与え、ホルムズ海峡の封鎖はいつ終わるか分からない。戦争が終わっても原油高が相当期間続くと予想される中、韓国の原油備蓄分も減少している。こうした状況で韓日両国は中東発のサプライチェーン問題に共同で対処することになった。さらに輸出主導成長をしてきた韓国にとって保護主義が強まる現在の国際経済環境は非常に不利だ。これを克服するため、政府はCPTPP(包括的および先進的な環太平洋連携協定)加入を急がなければならず、これに日本政府も積極的に協力することを希望する。
経済安保に劣らず重要なのが軍事安保分野での協力だ。トランプ政権2期目に入って以降、米国は領土主権や自由貿易といった国際秩序の規範や同盟よりも力の論理を前面に出している。例えば、トランプ大統領は15日、北京での米中首脳会談の後「習近平主席と台湾への武器売却問題を非常に詳細に議論した」とし、同日のFOXニュースのインタビューではこれを「良い交渉カード」と表現したという報道があった。
台湾への武器売却は1979年の米中国交正常化以降、米国が台湾を見捨てないという趣旨から始まった米国・台湾関係の根幹だ。そして、これを中国と事前に議論しないというのは、1982年のレーガン政権以来、台湾に対する「6つの保証」の一つだった。しかしそれを取引の対象にしているという事実が韓国、日本、フィリピンなど米国の同盟国に衝撃を与えた。米国からいつ捨てられるか分からないという懸念が強まったのだ。
例えば、米国が中国や北朝鮮と交渉する場合、相手国がトランプ大統領にとって十分に魅力的なインセンティブを提供する場合、韓米同盟や米日同盟の核心的な公約が取引の対象にならないという保証はない。米国が中国と妥協し、東アジアにおける中国の勢力圏を認めることになれば、中国に隣接する二つの民主主義国家、韓国と日本の戦略的地位は極めて厳しいものになる。また、朝米会談が再開され、北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)の撤去を提案してきた場合、米国が非核化や短・中距離ミサイル問題を放置したまま北朝鮮との取引を成立させてしまえばどうなるだろうか。米国は北朝鮮の核の脅威から安全になるだろうが、韓国と日本は北朝鮮の核ミサイルの脅威にさらされ続ける。
最近、韓国の安保状況に対する外国の専門家らの懸念が急激に強まっている。スタンフォード大学の軍事専門家マストロ(O. S. Mastro)氏は、今年5・6月号の『フォーリン・アフェアーズ』で、朝ロ間の同盟と軍事的密着により韓国で戦争になれば中国だけでなくロシアも介入するだろうと指摘した。対北抑止はいまや朝中ロ3カ国抑止を意味することになったが、2026年の米国防戦略報告書は対北抑止の主たる任務を韓国に負わせようとしているという。これは核武装に加えてロシアという同盟を確保したことで自信に満ちた北朝鮮指導部の誤った判断を招くおそれがあり、最悪の状況を防ぐためにトランプ大統領が確実に韓国に対する公約を再確認するべきだと主張している。しかしトランプ政権のいかなる文書にも、北朝鮮による対南核攻撃の際、米国が核で報復するという従来の公約が見られない。
2026/05/23 10:29
https://japanese.joins.com/JArticle/349487