南アフリカ、「マンデラ党」過半ならず、30年単独執権が閉幕

投稿者: | 2024年6月3日

南アフリカ共和国の「民主化の父」ネルソン・マンデラ元大統領を輩出したアフリカ民族会議(ANC)が総選挙で過半得票に失敗し、30年間続いた単独執権の幕が降りた。

1日(現地時間)の南アフリカ選挙管理委員会によると、総選挙の開票が99.9%進行した中、ANCは40.1%を得票した。これは直前の総選挙得票率(2019年57.5%)より17%ポイント以上も落ちた数値だ。1994年のアパルトヘイト(人種差別政策)終息以降、総選挙でANCが過半得票に失敗したのは今回が初めて。最大野党の民主同盟(DA)が21.8%で2位、ジェイコブ・ズマ前大統領が結成した新生政党ウムコントゥ・ウェ・シズウェ(MK)が14.58%で3位だった。

 海外メディアは水・電力不足、高い失業率、貧富の差、蔓延した犯罪と不正腐敗など経済・社会懸案を解決できず、有権者がANCから離れたと指摘した。日本のTBS放送は「南アフリカで過去1年間に停電発生日数が約300日にのぼった」と伝えた。

特に南アフリカの青年世代の苦痛が大きい。南アフリカ全体の失業率は32.9%で、今年1-3月期の15-34歳の青年失業率は45.5%と、世界最高水準だった。南アフリカは人口の10%が富の70%を占めるなど貧富の差も深刻だ。

支持基盤の黒人の民心を守るべきANCが黒人貧困の深刻化を放置したのも民心離脱につながったと、海外メディアは伝えた。一方、野党の経済的解放の闘士(EFF)は今回の総選挙で公約に白人所有土地の強制収容を掲げた。黒人は南アフリカの人口の80%を占めるが、黒人が保有する土地は7%にすぎない。

選挙の結果、連立政権が避けられなくなり、南アフリカ政局は不確実性が高い状況を迎えた。ANC党代表のラマポーザ現大統領は選挙の敗北にもかかわらず辞任する意向はないという。

議会は総選挙の結果発表から14日以内に大統領を選出しなければならない。ラマポーザ大統領が再任するには400議席の議会で過半(201票以上)を確保するため連立政権を構成しなければならない。しかし連立政府の構成は容易でない見通しだ。

BBCなどによると、野党は腐敗疑惑があるラマポーザ大統領が退くべきだと圧力を加えている。ラマポーザ大統領は2020年、自身の農場に現金で保管していた400万ドル(約6億2900万円)を強盗に奪われそうになった「ファームゲート」事件で一度、弾劾の危機を経験している。

2024/06/03 15:57
https://japanese.joins.com/JArticle/319457

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