世界1位の自動車企業トヨタがふらついている。昨年の子会社に続いて本社でも認証不正事件が発生したからだ。豊田章男会長は今年1月末に続いて4カ月ぶりにまた腰を90度に曲げて頭を下げた。
日本国土交通省は3日、トヨタ自動車を含め、ホンダ・スズキなど5社の自動車38車種の性能試験不正を確認した。日本国土交通省によると、クラウンはエアバッグをタイマーで作動させる手法で衝突試験認証を通過した。トヨタのラグジュアリーブランド「レクサス」のレクサスRXもエンジン出力試験過程でデータを調整し、歩行者保護性能試験では虚偽資料を出した。国土交通省は現在生産中の車種に対して出荷停止を指示し、4日からトヨタをはじめ該当企業に対する現場検査を進行中だ。
◆トヨタ「カイゼン」の没落
自動車業界ではトヨタ特有の効率優先経営方式がデータを改ざんする不正事故につながった原因とみている。トヨタは乾いたタオルも絞るようなコスト削減経営で有名だ。品質競争力を確保するのはもちろん、コストを削減して価格競争力を高めるために職員に「カイゼン」を強調した。コストを削減できるなら何であれ一つでも改善策を出すトヨタ式の製造効率化だった。部品の在庫をためることなく必要な分だけをその都度調達する「適時生産(Just in Time)」システムも、トヨタ効率経営の代表的な事例に挙げられる。こうした努力でトヨタは2008年の金融危機の影響を早期に克服し、2020年に世界自動車販売1位に復帰した。
しかし効率性優先の文化は品質を放棄する結果につながっている。特に過度に短い開発日程と上司に無条件に服従する文化が結びつき、データ改ざんが本社と子会社で幅広く生じたという分析だ。現在のような閉鎖的な組織文化では問題点を指摘できる自浄作用も期待しにくいという評価も出ている。朝日新聞は「現場への目配りが十分でなくなっているのが今回の事件の原因」と分析した。続いて「今回の事件は日本の製造業全体への信頼をも揺るがす深刻な事態」と指摘した。
◆日本経済に「悪影響」も
今回の事態が日本経済全般に悪影響を与えるという懸念も出ている。自動車産業が日本経済に及ぼす影響が非常に大きいからだ。日本自動車工業会によると、日本の製造業で自動車産業の比率は約20%で、関連雇用だけで550万人を超える。トヨタと取引する部品会社だけでも3万9113社、取引額も20兆7138億円(約181兆ウォン)にのぼる。日本経済新聞は「生産や出荷の停止が長引けば、緩やかな回復を続ける日本経済の重荷となる可能性がある」と分析した。
2024/06/05 09:40
https://japanese.joins.com/JArticle/319528