SKハイニックスが世界最大の資本市場である米ナスダック市場に入城する。ティッカーは「SKHY」。来月10日から取引が始まるADRは単純な海外上場ではない。ADRの構造と価格決定方式、そしてメモリー企業が相次いでウォール街へ向かう理由を整理した。
◇ウォール街へ向かうメモリー企業
SKハイニックスが来月米国ナスダック市場に米国預託証券(ADR)方式で上場する。今回の上場を通じて最大45兆4534億ウォン(約4兆7832億円)規模の資金を調達する予定だ。
ADRは米国の投資家が海外企業の株式を米国の証券市場で簡単に取引できるようにする米国預託証券だ。実際の株式は本国に保管し、米国でこれを担保に発行した預託証券をドルで取引する。米国の投資家は両替や海外口座開設の負担なく海外企業に投資でき、企業は世界最大の資本市場で世界から投資家を誘致できるというメリットがある。
今回のADRの実物担保の役割をする株式はSKハイニックスの普通株最大1779万株だ。23日終値の255万5000ウォンを適用すれば総額45兆4534億ウォン規模の預託証券が発行される。
◇なぜいまADRなのか
市場も今回のADR上場に対し概ね肯定的に評価している。
サムスン電子や米マイクロンとの広帯域メモリー(HBM)競争、京畿道竜仁(キョンギド・ヨンインの半導体クラスターと、忠清北道清州(チュンチョンブクド・チョンジュ)の新規工場、米インディアナ州のパッケージング生産基地など、AI時代のメモリー半導体設備投資規模が数百兆ウォン台に増え、大規模投資資金の確保が必要な状況であるためだ。SKハイニックスは今回のADR上場により調達した資金を1台当たり6000億ウォンに達するASMLの最新極端紫外線(EUV)装備購入など設備投資に投じる考えを明らかにした。
これに加えEUV装備など半導体製造に必要な核心装備の大部分がドル建てで決済されるだけに、米国の証券市場で直接ドルを調達することが為替リスクと資金調達の側面でも有利だという分析が出ている。
◇コリアディスカウント脱出できるか
米証券市場進出を契機に海外の競合企業と比べ、業績に対し株価が低評価される「コリアディスカウント」を解消できるという期待感も大きくなっている。SKハイニックスは世界市場でマイクロンを圧倒する売り上げ、営業利益、技術競争力にもかかわらず、依然として低い株価収益率(PER)にとどまっている。マイクロンだけでなく、上場を控えた中国のメモリー半導体企業の長鑫存儲技術(CXMT)までSKハイニックスより高いバリュエーションを受けている。ニューヨーク証券市場上場を契機にマイクロンと同じ基準で企業価値を評価される機会が与えられることになる。
ファウンドリー世界1位のTSMCもやはりADR上場を契機に台湾証券市場に上場された原株のバリュエーションが再評価されたりもした。こうした理由から日本を代表するメモリー半導体企業のキオクシアもやはり来年春のADR上場を推進すると公式化した。資本市場の一部ではサムスン電子のADR上場も可能なシナリオのひとつとみている。
2026/06/29 10:46
https://japanese.joins.com/JArticle/351241