「黒船が襲来した!」…2週間で1000台、中国BYD軽自動車に驚いた日本

投稿者: | 2026年8月17日

「まさに『黒船』が襲来した」

 日本の自動車専門メディア『モーターファン』は9日、中国の電気自動車メーカーBYDが発売した軽自動車『ラッコ』を、江戸幕府の鎖国政策を一瞬で終わらせた1853年の米国船の出現に例えた。

 トヨタ・スズキ・ホンダ・日産など世界的な完成車ブランドを持つ日本は、輸入車の墓場と呼ばれている。特に日本の年間自動車販売台数の35~40%を占める軽自動車の厳しい規格は、外国の自動車業界を中心に「非関税障壁」と呼ばれるほどだ。外国の自動車メーカーが日本の軽自動車市場に参入したくても、厳しいサイズ制限(長さ3.4m、幅1.48m、高さ2m)や排気量基準(660cc以下)を僅かでも外れると、軽自動車の恩恵を受けられない。

韓中日の電気軽自動車、小型車の比較

 こうして日本の軽自動車市場は70年以上にわたりガラパゴス式進化を続け、「日本国民車」という天守閣を高く積み上げてきた。しかし、中国の電気自動車ラッコは、発売から2週間で1000台以上の注文を記録し、城壁の堀を渡り始めた。日本経済新聞は「独自の進化を遂げてきた日本の軽自動車が、国際競争にさらされる時代に突入した」と評価した。

 先月28日に日本市場に投入されたラッコは、9日現在で注文数が1,002台に達した。低い認知度にもかかわらず、全国でわずか77店舗の代理店が達成した成果だ。BYD日本法人によると、最上位トリム(300プレミアム)が全体の注文量の80%を占めているという。ラッコが単にコストパフォーマンスを前面に掲げているわけではないことを注文数値で示したことになる。ラッコを購入した理由は、セカンドカー(37.5%)、既存車の乗り換え(35.7%)、人生初の車(26.8%)の順だった。

 ラッコは全長3.395m、幅1.475m、高さ1.8mで、日本の軽自動車規格を完全に満たしている。△ラッコ200(214万5千円、1回の充電で走行距離210km)△ラッコ300プラス(239万8千円、1回の充電で走行距離320km)△ラッコ300プレミアム(249万7千円、1回の充電で走行距離320km)という3つのトリムで構成されている。日本政府の電気自動車政策により、ラッコには補助金15万円のみが支給される。競合車種の日産の電気軽自動車サクラ(244万8600円~299万8600円、1回の充電での走行距離180km)は補助金58万円を受け取ることができる。

 「ラッコ1000台販売」は全体の市場規模に比べれば大した数字ではない。2022年5月に発売されたサクラは、昨年1万4093台が販売された。先月、累計販売台数が10万台を突破した。ただし、「輸入車の墓場」として自国市場に安住していた日本の完成車メーカーは、初登場した輸入軽自動車の急速な進展に敏感に反応している。

 昨年の日本の自動車の国内販売台数は456万5777台に達した。そのうち36.5%にあたる166万7360台が軽自動車だ。全体の新車販売ランキングでは、軽自動車が1位(ホンダN-BOX、20万1354台)、3位(スズキスペイシア、16万5589台)、5位(ダイハツタント、12万4619台)、6位(ダイハツムーブ、12万2349台)を占めるほどの勢いがある。

 ラッコは日本市場だけを対象とした「中国製日本軽自動車」だ。日本の軽自動車は、天井を高くして室内空間を最大限に確保するボックス型(スーパーハイトワゴン)が主流だ。狭い駐車場でも乗り降りしやすいように、後部ドアは横に開くスライドドアを採用していることが多い。ホンダN-BOX、スズキスペイシア、ダイハツタントがすべてこのような形だ。ラッコはこのような日本の軽自動車の最も人気のあるオプションをすべて組み合わせた。起亜のレイも同じ形状だが、車両のサイズと排気量は日本の軽自動車基準を大きく上回っている。

 「地方に行くと、軽自動車がその町の風景だ」。BYDはこのような理由から、日本の大都市ではなく地域の中小都市をラッコの主要市場とした。地域のガソリンスタンドが消えることも、日本の消費者が「電気」軽自動車に目を向ける理由となっている。日本経済新聞は、経済産業省のデータを基に、全国のガソリンスタンドが1994年の6万カ所から2024年には2万7千カ所へと半数以上減少したと報じた。人口減少地域では廃業がより多かったという。

 単に規格を合わせただけではない。公共交通が不足している地域で通勤や買い物、育児などの目的で軽自動車を利用する日本人の生活様式を的確に把握し入り込んだ。BYDの中国の開発者たちは、日本で梅雨を直接体験した後、ラッコの後部座席の足元に濡れた傘を収納できるトレイを配置したという。日本経済新聞は、雨が降る大型スーパーの駐車場で、子どもを軽自動車の後部座席に乗せた女性が、躊躇しながら濡れた傘を車の床に置く姿からヒントを得たという開発エピソードを伝えた。日本の高速道路の休憩所で販売されているペットボトルや紙コップに加え、四角い紙パックまで大量に回収し、円形ではなく横・縦8cmの四角いカップホルダーを作るなど、日本市場を徹底的に分析したという。

 BYDは2023年に日本の乗用車市場に参入した。韓国市場と同様に、 アット 3、ドルフィン、シール、シーライオン7などをリリースした。日本自動車輸入組合(JAIA)の資料によると、BYDの輸入車市場シェアは2023年に1511台(0.5%)、2024年に2383台(0.7%)、2025年に3870台(1.1%)、今年(1~7月)に2586台を記録した。BYDは今年末までのラッコの販売目標を1万台に設定した。目標を達成すれば、日本の輸入車市場で一気にトップ10に入ることになる。昨年の日本輸入車市場でのトップはメルセデス・ベンツ(前年は5万857台)だった。

 ただし、日本の消費者の懸念は依然として残っている。ラッコを高く評価した日本の自動車メディアの記事には「購入後の整備など維持管理が期待できない」「性能だけで日本に定着するのは難しい。安全と耐久性が重要だ」「中国製という不安は乗り越えられない」「電気自動車は日本では売れない」など、否定的な意見も多く寄せられている。年内に1万台の販売目標が非現実的だという指摘も出ている。BYDはラッコの無償保証期間を日本の軽自動車の2倍以上(6年または15万km)に設定して対応している。

 現代自動車はこの日本市場の堅さを誰よりもよく理解している。2022年、電気自動車アイオニック5や水素電気自動車ネッソなど環境に優しい車を前面に出して日本市場に12年ぶりに再進出した現代自動車は、昨年4月に電気自動車キャスパーエレクトリック(輸出名「インスター」)を発売した。小型SUVのキャスパーは日本の軽自動車規格を満たしていないが、5つのトリム(284万9千~372万9千円)に応じて、1回の充電で走行距離が393~477kmと優れた性能で注目を集めている。日本政府の補助金も47万円だ。現代自動車はキャスパーの販売に支えられ、2024年には618台(輸入車市場シェア0.2%)から昨年は1169台(輸入車市場シェア0.3%)にほぼ2倍の日本販売量を増やした。ただし、今年1~7月の販売台数は601台で、昨年同期(538台)よりわずかに増加したにとどまった。現代自動車の関係者は「保守的な日本市場ではハイブリッドが依然として主流となっている。電気自動車市場が開花するにはまだ時間が必要だ」と述べた。

2026/08/17 18:56
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/56936.html

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