かつてディスプレー産業の核心だったが競争に敗れた液晶パネル(LCD)工場が人工知能(AI)産業の生産基地に変身している。
業界によると。LGイノテックはLGディスプレーの亀尾(クミ)LCD工場買収などを検討している。ノートパソコン・モニター用LCDを生産していたが2023年6月に稼動を中断した第6世代工場(P6E)だ。既存のLCD設備を取り払って半導体パッケージ基板生産ラインを構築する案が話し合われている。LGイノテックはAIサーバーなどに使われる高付加価値半導体基板であるフリップチップボールグリッドアレイ(FC-BGA)事業を拡大している。LGイノテックの文赫洙(ムン・ヒョクス)社長は3月の株主総会直後に「半導体基板の生産能力を約2倍に増やす。FC-BGAなど半導体基板を作るパッケージソリューション事業は収益性が最も高いドル箱事業」と明らかにした。
海外ではすでにLCD工場のオーナーが次から次へと変わっている。日本のパッケージ基板企業新光電気工業は先月30日、ジャパンディスプレイ(JDI)と千葉県茂原工場の買収契約を結んだ。アップルのiPhone用LCDを作っていたが昨年に11月稼働を中断していたところで、AIアクセラレータ用半導体パッケージ基板を生産する計画だ。世界最大のファウンドリー(半導体委託生産)企業である台湾のTSMCはディスプレー企業イノラックスのLCD工場を171億4000万台湾ドルで取得し、AIチップ用先端パッケージング工場(AP8)に変えた。シャープの大阪LCD工場の敷地もKDDIに売られ、KDDIは1月にここでAIデータセンターの稼動を始めた。
LCD工場が相次いで売りに出された背景には、中国発の価格圧迫と市場低迷が重なっている。市場調査会社オムディアによると、LCD市場の主流である大型LCDシェアは昨年基準で中国BOEが36.2%、チャイナスターが16.4%で両社が半分以上を占めた。市場の見通しも暗い。韓国ディスプレー産業協会によると、今年の世界のLCD市場規模は764億ドルで昨年の805億ドルより5.1%縮小すると予想される。メモリーとプロセッサの価格上昇によりPCやテレビなど前方需要が冷え込んでいる上に、LCDに代わる有機ELの普及もはやくなっているためだ。
LCD工場にはすでに大規模な電力・用水供給施設とクリーンルームが備わっており、新たな工場を作るより稼動時期を繰り上げられる。台湾の中国時報はTSMCがイノラックスの工場を買収した理由として、新規工場建設に必要な環境影響評価などの許認可手続きを減らせる点などを挙げた。
AIデータセンターも同様だ。KDDIはかつて世界最大のLCD工場だったシャープ堺工場の既存の電力・冷却設備を活用し、用地を譲り受けてから約9カ月の今年1月にAIデータセンター稼動に入った。業界関係者は「悩みの種だった工場がAIブームのおかげで時間を買う資産になった格好」と話した。
2026/10/19 10:55
https://japanese.joins.com/JArticle/356465