日本の海上自衛隊艦が異例に中国領海を約20分間航海し、中国政府が日本に「深刻な懸念」を伝えたと日本メディアが報道した。
読売新聞と東京新聞は11日、海上自衛隊の護衛艦「すずつき」が4日に浙江省沖約22キロメートルの中国領海に接近し約20分間航海したと伝えた。海上自衛隊艦艇の接近に中国側はすぐに退去を求めたが、速度を上げ中国領海を航海した後に領海の外に出たという。この海域は台湾と浙江省の間の中国領海で、中国政府の軍事訓練が予告された状態だった。中国政府は外交ルートを通じて日本側に深刻な懸念を伝えたという。中国の抗議を受けた日本政府は内部調査に入った。
◇中国観艦式にも参加した「すずつき」
この数年間中国と日本の間では尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺海域で摩擦が起きている。中国船舶が日本側領海を侵犯して日本の巡視艇が出動することも続いている。先月には中国沿岸警備の隊艦艇4隻が日本の領海に入ったりもした。今回の「すずつき」の中国領海航海に対して中国が「意図的な挑発」と解釈する背景だ。
国連海洋法条約によると、沿岸国の安全を脅かす行為をしない限り、船舶が領海を通過できる「無害通航権」を認めている。このため今回の「すずつき」の航海は国際法違反には該当しない可能性も高いと日本メディアは伝えた。これに対し中国は国内法に外国軍の艦艇が領海に入る場合には事前に許可を受けるよう定めており対立の素地は残っている。
海上自衛隊の護衛艦「すずつき」は5000トン級で2012年に進水、2014年に就役した。佐世保基地に配備されている。「すずつき」は2019年の中国人民解放軍海軍創設70周年を記念する国際観艦式に旭日旗を掲げて参加するなど一時は日本と中国の「和解」を象徴したりもした。だが最近両国関係が悪化し、「すずつき」は中国海軍空母「遼寧」を監視する役割を担当してきた。
今回の海上自衛隊艦艇の中国領海航行とは別に日本は自衛隊の活動範囲を広げる傾向だ。最近ではフィリピンと相互派兵が可能な協定に署名した。サイバー防衛の役割も引き受けるものとみられる。読売新聞は発電所など主要施設と政府機関に対するサイバー攻撃を防ぐ権限を自衛隊に付与する方向で日本政府が調整に入ったとこの日報道した。
2024/07/11 17:22
https://japanese.joins.com/JArticle/321034