円相場がむなしく落ち込んでいる。「スーパー円安」が持続しウォン相場の下落も懸念される。
世界の外国為替市場で円相場は29日午前に一時1ドル=160.245円まで円安が進み、1990年4月から34年ぶりに安値水準を記録した。しかし午後1時ごろには155.25円まで反騰し日本政府の介入があったのではないかとの推測を呼んだ。ロイター通信によると、市場介入の有無を尋ねる記者らの質問に、日本財務省の神田真人財務官は「ノーコメント」として介入の可能性を否定しなかった。
日本経済新聞はこの日、日本銀行の植田和男総裁が26日の記者会見で「基調的な物価上昇率に、円安がいまのところ大きな影響を与えていない」と言及したことが急激な円安を呼んだと報道した。こうした発言は円の価値が下がっても物価上昇などに影響がなく、金利を上げなくても良いと解釈できる。
米国の高金利長期化ムードも円安に影響を及ぼした。最近発表された米国の1-3月期個人消費支出(PCE)価格指数は前年同期比3.7%上がり市場見通しの3.4%を大きく上回った。米連邦準備制度理事会(FRB)が来月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ時期をさらに遅らせる点を示唆すれば円相場はさらに落ちる恐れできる。資産運用会社ティー・ロウ・プライスのビンセント・チョン氏はウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、「根本原因は米日間の金利格差。円安はしばらく足踏みしてからさらに下がる可能性も高い」と指摘した。
このため一部では日本銀行が追加利上げにもっと早く出るかもしれないとの分析も出ている。円が下がり続ける場合、輸入物価が上がり全般的な物価が上昇するためだ。一部専門家らは10月ごろと予想される利上げ時期が6~7月に前倒しされるという予想もする。ただ1000兆円を超える国の借金は利上げに負担になる要素だ。
歴代級の円安はウォンにも影響を及ぼす。29日のソウル外国為替市場でウォン相場は前営業日より1.70ウォンのウォン安となる1ドル=1377ウォンで取引を終えた。依然としウォン安傾向だが、1400ウォンまでウォン安が進む危機状況の再来はないだろうという楽観論が出ている。為替相場は先週から日本の超円安、米国経済指標発表のような変数にも1370ウォン台で維持されている。
外信では韓国の為替相場が最悪の状況を超えたとみられるという評価も出した。25日に発表された1-3月期の経済成長率が前四半期比1.3%(速報値)で「サプライズ」を記録したこともウォン相場を上げる要因として作用した。輸出額が先月まで6カ月連続増加傾向を続けた上にこれまで不振の懸念が大きかった内需も成長を牽引した。年間成長見通しの引き上げも有力になった。
ただ来月1日のFOMC会議結果などにより外国為替市場がもう一度揺れる恐れがある。円安持続にともなうウォン安傾向も消えずにいる。一方でウォン相場は下落傾向が停滞して円安だけ急速に進む場合、輸出に影響を及ぼしかねないという懸念も出ている。韓国製品の価格競争力が日本製品より落ちることになるという懸念だ。
2024/04/30 06:52
https://japanese.joins.com/JArticle/318026