米国の大統領候補が「米国優先主義」を叫ぶ中で、韓国産業界の懸念が大きくなっている。米国政府の補助金の約束を信じて大規模に米国に投資した補助金恩恵に支障が生じたり中国をターゲットにした規制でいわれのない影響を受けかねないためだ。韓国は昨年過去初めて対米投資国1位に上がるほど対米投資規模が大きくなり、州政府の投資ラブコールも続いているが、それに見合った経済安全保障同盟としての扱いを受けているのかは疑問という指摘が出る。
韓国財界によると、テネシー州のビル・リー知事は来月初めに訪韓してSKオンの李錫熙(イ・ソクヒ)代表をはじめ、LG化学、暁星、ハンコック・アンド・カンパニーなど主要大企業の経営陣と会い協力案を話し合う予定だ。テネシー州には2019年からこれまでに韓国企業16社が71億ドル以上を投資し、5000件以上の新規雇用を創出した。LGエナジーソリューションとゼネラルモーターズ(GM)の合弁法人であるアルティウムセルズの第2工場が稼動中で、LG化学は正極材工場を、SKオンはフォードとバッテリー工場を作っている。
今年に入り米国の州政府と州議会の訪韓が相次ぎ、いまも主要企業と経済団体にミーティングの問い合わせが絶えないという。今年夏にジョージア州、テキサス州、ケンタッキー州の知事が相次いで訪韓して大企業関係者と会った。既存の投資企業との面談だけでなく、新たな投資を誘致しにくるケースが増えた。来月初めにはオクラホマ州のケビン・スティット知事が訪韓し韓国貿易協会関係者らと会い、オレゴン州とコロラド州も年内の訪韓を推進していることがわかった。7月に訪韓したアラスカ州議会のキャシー・ティルトン下院議長は「われわれも補助金要件を満たしており韓国企業の大きな関心を望む」として投資を要請した。
業界関係者は「以前は米国州知事が日本や中国を訪問する際に韓国に立ち寄ったが、いまは韓国企業に会うのが目的。韓国企業の位置付けが完全に変わった」と話した。
米国州政府のこうした動きは雇用のためだ。韓国企業は米国に良質の雇用を創出したとの評価を受ける。フィナンシャル・タイムズが国連貿易開発会議(UNCTAD)の資料を分析した結果、昨年の韓国の対米投資規模は215億ドルで1位となった。前年より11%ほど減ったが、2022年に1位だった台湾の投資が急減して韓国が最大の投資国になった。昨年上半期の対米直接投資国の雇用創出の割合もやはり韓国が17%で1位だった。共和党の大統領候補であるトランプ前大統領は24日にジョージア州での演説で「私に投票すれば中国・韓国・ドイツから米国に雇用を吸い込むだろう」とも話した。
2024/09/26 08:27
https://japanese.joins.com/JArticle/324180