中国との半導体技術の逆転が現実化した。韓国科学技術企画評価院が国内の専門家39人を対象に実施したアンケート調査によると、韓国の半導体技術水準はこの2年間で中国にほとんど追い越された。メモリー、先端パッケージング、人工知能(AI)半導体、パワー半導体、高性能センサーなど5件の技術の基礎力量分野のうち先端パッケージングを除いた4つの分野で中国に抜かれた。先端パッケージングは中国と同じ4位だった。
調査の結果は衝撃的だ。2年前の調査でリードしていたメモリーと高性能センサー技術では逆転を許し、先端パッケージング技術は中国の追撃で似た水準になった。2年前にも劣っていたAI半導体とパワー半導体技術の基礎力量では中国との差を狭めることができなかった。技術レベルを事業化の観点で評価した場合も、韓国半導体技術が中国を上回る分野はメモリーと先端パッケージングだけだった。
韓国半導体が直面した競争力の危機は他の数値にも表れている。半導体分野全体を対象に技術生涯周期を評価したアンケート調査で、韓国は工程と量産だけが中国を上回っていた。基礎・源泉および設計分野では中国に遅れをとっているうえ、米国・台湾・日本など競争国の中で最下位(6位)だった。それだけではない。半導体復活の旗を揚げた日本の追撃も激しい。日本メモリー半導体企業キオクシアが世界で初めて332層NAND型フラッシュメモリーを開発し、積層競争で韓国を抜いた。日本の半導体までが韓国のすぐ下まで追い上げている。
半導体の危機は韓国経済に赤信号となる。半導体は韓国経済のエンジンである輸出の20.8%(2024年基準)を占める主力産業だ。半導体が揺らぐと輸出も経済もふらつくしかない。さらに半導体技術は産業全般の革新を主導する一方、国家安全保障に直結する事案だ。先端半導体は参入障壁が高いだけに、技術格差が広がるほど追跡はさらに難しくなり、国家競争力の低下につながる。
トランプ政権2期目の登場など韓国の半導体産業をめぐる状況は厳しい。先端半導体の技術確保などを含む国家間の半導体総力戦はその水位を高めている。こうした危機状況を突破してまた半導体競争力を確保するために企業と政府・政界が力を合わせる必要があるが、政界の動きは極めて情けない。研究開発分野の「週52時間勤務制の例外」条項を盛り込んだ半導体特別法さえも処理できずにいる。まさに「先端産業育成法案が国会で漂流している」という柳津(リュ・ジン)韓国経済人協会長の言葉通りだ。すでに遅れをとり始めた半導体の競争力を引き上げるゴールデンタイムが経過している。この機会まで逃せば半導体はもちろん韓国経済全体がグローバル競争で落後するおそれがあることを忘れてはならない。
2025/02/24 16:19
https://japanese.joins.com/JArticle/330298