第1世界ファシズム対植民地ファシズム 【ユーレカ】

投稿者: | 2025年2月25日

 この2年間、ドイツではクーデター謀議事件が2件も発生した。2022年にはハインリヒ13世という旧貴族出身者などが王政復古を目標に首相を殺害し政府機関を襲撃しようとして発覚しており、2024年にはナチスドイツの復活を夢見てテロ組織を結成し実際に軍事訓練まで行った「ザクセン分離主義者」たちが検挙された。2件とも右派が行った内乱陰謀であり、極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)所属の政治家が含まれていたことで、衝撃を与えた。にもかかわらず、AfDは昨年6月、ドイツで行われた欧州議会選挙で、「キリスト教民主同盟」(CDU)と「キリスト教社会同盟」(CSU)の政治連合「キリスト教民主・社会同盟」(CDU・CSU)に次いで2番目に多くの票を獲得し、名実ともに有力政党となった。

 既存の体制を破壊または変更しようとする右派の台頭は、ドイツだけの現象ではない。ドナルド・トランプ米大統領の支持者たちによる国会議事堂の暴力占拠や英国のブレグジット運動、イタリアの極右政治家ジョルジャ・メロー二首相の就任、フランスの極右政党「国民連合」の躍進など、いわゆる「第1世界」の全般的な右傾化とクーデターの試みは緊密に絡み合っている。

 植民地を率いる帝国だったか、第2次世界大戦の枢軸国だったこれらの国で、極右が勢力を得ている現象は、この30年間にわたり世界を席巻した新自由主義が生んだ結果だ。社会主義の没落以後、資本主義陣営は「歴史(体制競争)の終わり」(フランシス・フクヤマ)を宣言し、グローバル化と自由貿易を事実上強要し、資本の利益は幾何級数的に増えたが、肉体労働者と農民、下位中産層などは仕事を失い所得減少と社会的地位の低下を経験した。工場の海外移転と移住労働者の増加により資本が超過利潤を独占し、経済的格差が著しく拡大したことで、下層民衆が極右勢力の政治的基盤になったのだ。第1世界の極右政党のモットーが反移民と反グローバル化であるのはそのためだ。

 右傾化した基層民衆の支持に支えられる第1世界極右とは異なり、12・3戒厳事態以後、韓国で猛威を振るう極右は既得権勢力によって「動員された」ファシズムだ。西欧ファシズムは民族主義と国粋主義を標榜するが、日本軍国主義のルーツを持つ韓国のファシズムは事大主義を指向する植民地ファシズムであり、売国的性格を帯びている。特に最近の西欧ファシズムが中産層以下の「経済的不満」に基づいている一方、韓国の植民地ファシズムは既得権勢力の権力喪失に対する危機感に基づいた「政治的運動」だ。

 動員されたファシズムだからといって、脅威が弱いわけではない。教会という草の根の組織が資金と人材を供給し、伝統的な政権勢力である現在の与党が後ろ盾の役割を果たしているため、根絶が容易ではない。強力で広範囲な反ファシズム連合が切に求められる。

2025/02/23 18:50
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/52496.html

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