米国が海軍の戦力を強化するため艦船の修理・建造に毎年55兆ウォン(約5兆6600億円)を支出するという分析があった。トランプ米大統領のラブコールを受ける韓国造船業界には機会となる見通しだ。
大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が最近公開した報告書「米国海洋造船業市場および政策動向を通して見た韓国企業進出機会」によると、米海軍の新規艦艇建造市場は年間44兆ウォン、維持・保守・整備(MRO)市場は11兆ウォンにのぼる。米議会予算局と米議会傘下の会計監査院が分析した結果だ。米議会予算局は今年1月、米海軍が2054年まで年平均300億ドル(約43兆8900億ウォン)を投入し、計364隻の新規艦艇を建造する計画と明らかにした。この計画に基づくと、米海軍艦艇規模は現在の296隻から381隻に増える。
老朽化した米艦艇を修理する維持・保守・整備(MRO)市場も拡大傾向にある。米会計監査院によると、2023年基準で米海軍は艦艇MRO事業に73億7900万ドル(約10兆8000億ウォン)を使った。2020年は60億9300万ドルであり、3年間で10億ドルほど増えた。昨年11月基準で全世界で作戦中の米海軍艦艇は潜水艦・空母を除いても149隻にのぼる。インド太平洋地域担当の第7艦隊はその間、日本の横須賀海軍基地でMROをしてきたが、現在、老朽艦艇の整備需要に対応できていないという。
韓国造船業界は米海軍のMRO参加をきっかけに軍艦建造パートナーも狙っている。HD現代とハンファオーシャンは昨年7月、米海軍と艦艇整備協約(MSRA)を締結し、MRO事業に本格的に進出した。ハンファオーシャンは昨年、MRO2件を受注し、米フィラデルフィア所在のフィリー造船所を1億ドルで買収した。HD現代は今年、米艦艇のMROで2、3件以上を受注するという目標を設定した。HD現代は先月、米シンクタンクのハドソン研究所セミナーで「米国と船舶修理・建造分野で協力するため現地直接投資など複数の案を検討している」とも明らかにした。
米海軍市場をめぐり今後、韓国・日本造船所の間で受注競争が激しくなる見込みだ。三菱重工業などは韓国より先に米海軍とMSRAを締結し、米海軍第7艦隊のMRO事業を受注してきた。米国と日本は昨年4月の首脳会談で、米海軍戦闘艦の日本国内修理に合意するなど協力を強化したりもした。予備役海軍准将を務めた釜山大船舶海洋プラント技術研究院のシン・スンミン招待教授は「日本の競争力は、韓国より十数年前から米海軍艦艇を整備してきた経験」とし「韓国は大型船舶の設計・製作技術力など強みを前に出して日本と競争することになるだろう」と話した。
2025/03/03 13:02
https://japanese.joins.com/JArticle/330594